チェイスあるもヒットせず

未踏区間は下流の区間より深めの淵や倒木や薮がせり出したボサ際カバーなどいかにもなポイントが連続する様相で、尺クラスの期待が高まります。その期待通り、要所で尺クラスのチェイスが連続しますが、あと一歩のバイトが引き出せずに意外な苦戦が続きます。

そんな中、上流からの流れが絞られて対岸にぶつかり深みを形成したポイントに辿り着きます。河畔林の影がポイント全体を覆い、さらに対岸からせり出した笹薮が対岸際をカバーしている良型が隠れるには理想的なポイントでした。

ボトムでモンスターヒット

ボトム付近に付いているであろう尺上クラスにアピールすべく、6gのヘビーシンキングミノーを流芯の対岸寄り上流へキャストし、流れに乗せ沈めながらボサ際最深部に送り込み細かくトゥイッチを刻んで誘う作戦。そしてトゥイッチを刻み始めた直後、突然ロッドに強烈な重みが乗ります。

フッキングを決めるとボトム付近で白い腹を見せながらうねる黒い影。初めはサクラマスのスレ掛かりかと思いましたがその黒い影は背中に白い斑点を持っていたのでアメマスと確信。

強烈なパワーと重さでバットからブチ曲がるロッドと鳴り止まないドラグ音。これ以上ラインを緩めると絶対に外れると感じたのでドラグを締めロッドを立てて疲れさせ抵抗の隙を見てランディングする作戦をとります。

アメマスが隙を見せる度にランディングネットですくおうと試みるも、デカ過ぎてネットに入らず。それでも何度目かの浮上でやっとランディングに成功、流石にその瞬間は「よし!」と歓喜の声を挙げました。

自己新記録の64cmアメマス

ネットにかろうじて入っている魚を水に浸けて呼吸を確保し、急いで浅瀬に石で簡単な生け簀を作ります。何とか生け簀を用意しアメマスを窮屈なランディングネットから出して生け簀に移すと、改めてその巨大さを実感しました。

小渓流に不釣り合いな極太の胴回りに巨大な尾鰭、年季を感じさせる眼差しは貫禄十分にこちらを睨んでいるかのよう。サイズを測ると64cm。今までキャッチしたどのトラウトよりも大きい自己新記録。

全く想定外のキャッチで久しぶりに度肝を抜かれました。アメマスを深みに帰しその日はそれで納竿としました。

Day3:雪代シーズンに実績沢へ

翌日、今度は完全陸封型のエゾイワナの良型を狙うべく雪代シーズンに絶好調だった沢へ。

この川の河口から中流域まで三面護岸に覆われ、さらに上流~源流域には堰堤が乱立する冴えない渓相ながら、多くのイワナが生息しており海との行き来が完全に遮断されていることからその個体群は100%陸封型です。

尺級イワナ登場

ここでは薮を掻き分けて入渓ポイントへ向かいます。熊の目撃情報が多い地域での釣りなので熊鈴はもちろん、爆竹と笛で音を出しながらの遡行です。ここでも多くの新子イワナがミノーに戯れついてきます。

浅瀬は完全に小型イワナの独壇場なのでスルーして深場のみ丹念に探っていきます。最初の堰堤で3gのシンキングミノーで尺クラスと泣き尺クラスをキャッチするも2匹とも元気が良すぎて撮影前に逃亡。