テオティワカン遺跡の見どころ
テオティワカン遺跡には、ピラミッドはもちろんのこと、様々な歴史的建造物があります。
ここでは、そんなテオティワカン遺跡の見どころを紹介します。
ケツァルコアトルの神殿

ケツァルコアトルの神殿は、チケット売り場のある入り口から入って一番最初にある神殿です。
一辺65m、高さ20mの神殿となっており、サイズは少し小さいですが、ピラミッドもあります。

古代メソアメリカでは、羽毛を持つ蛇を蛇神として信仰していました。
ケツァルコアトルも蛇神の1つで、メキシコ中央高原で繁栄したトルテカ・アステカ文明で信仰されていた蛇神です。
そのため、ケツァコアトルとは、この地域で使用されていたナワトル語で「ケツァル鳥の羽を持つ蛇」という意味です。
ケツァルコアトルの神殿ではピラミッドには登ることができませんが、とても美しい装飾を見学することができます。

ピラミッドの外側にはケツァルコアトルの彫刻や、「雨と豊穣の神」で大きな丸い目と上唇が特徴的な「トラロック」、貝などの彫刻やレリーフを近くで見学できます。
それぞれの神樣の表情は実際に見ると、古代文明と古代アメリカとは切り離せられない生贄文化を肌で感じることができ、とても迫力があります。
ケツァルコアトルの神殿は、チケット売り場のすぐ近くにあります。
テオティワカン遺跡は入り口と出口が違うので、距離が遠く炎天下ということもあり、ほとんどの人が奥のピラミッドまで行ってしまうと、入り口付近まで戻ることはありません。
ピラミッドを早く見たい気持ちがあると思いますが、戻らない前提でここもしっかりと見学しておきましょう。
テオティワカン遺跡の観光情報
住所:San Juan Teotihuacán 55800 Teotihuacán de Arista, Estado de México
営業時間:9時〜17時
定休日:なし
入場料:75ペソ
死者の道

テオティワカン遺跡のメインストリートとなる道が「死者の道」です。
全長は3km以上もあり、道の両側には様々な神殿や台座のあとが残っています。
「死者の道」となんとも不気味な名前をしていますが、それはテオティワカン遺跡を見つけたアステカ人が、この左右にある台座などを墓だと思ったことに由来しています。
左右にある遺跡を見学しながら歩くと、長い道のりもあっという間に感じてしまいます。
太陽のピラミッドと月のピラミッドの間の死者の道には、「ピューマの壁画」もあります。
ピューマは、テオティワカンの人々にとって最強の動物であり、「特別な動物」でした。
そんなピューマの壁画が、保存状態が良く残っています。
色もしっかり残っており、テオティワカン文明を思い起こさせてくれる色彩感は必見です。

小さい壁画なので、通り過ぎてしまわないように気を付けてください。
月のピラミッド

月のピラミッドは、テオティワカン遺跡で2番目に大きいピラミッド。
入り口から死者の道を3km以上歩いたところにある、死者の道の終着点です。
高さは47mと太陽のピラミッドほど高くありませんが、月のピラミッドがある場所は土地が少し隆起しているため、高さ自体は太陽のピラミッドとあまり変わりません。
ピラミッド内部からは生贄の埋葬跡が見つかっており、ピラミッド前の広場の大きさも太陽のピラミッドよりも大きいです。
そのため、月のピラミッドでは重要な宗教儀礼などを行なっていたと考えられており、テオティワカン遺跡の中で最も重要な場所だったことがわかっています。
月のピラミッドは、太陽のピラミッドよりも簡単に登ることができます。
死者の道の先端にあるため、上からはシンメトリーの遺跡を見渡すことができ、まるで王様にでもなったかのような気分が味わえますよ。

注意点として、月のピラミッドは太陽のピラミッドよりも登る距離はとても短いですが、階段はかなり急です。
観光客の転落事故なども起きているので、登りももちろん、下りは特に注意して降りましょう。

傾斜は下りの方が急に感じるため、高所恐怖症の方はその点も考慮して登ってください。
太陽のピラミッド

テオティワカン遺跡のメインとなる、もっとも大きいピラミッドが「太陽のピラミッド」です。
高さは65mにもなり、エジプトにある「クフ王のピラミッド」、「カフラー王のピラミッド」についで3番目の高さとなっています。
底面の長さは上位2つとほぼ変わらないため、かなり大きな建造物です。
何と言っても、このピラミッドの特徴は登れること。
登ることができるピラミッドとしては世界一の高さです。
月のピラミッドは頂上まで登ることが出来ませんが、この太陽のピラミッドは頂上まで登ることができます。
階段は248段もあり、テオティワカン遺跡は標高が高いので、すぐに息が上がり登るまでは一苦労です。
ただ、その分頂上には絶景が待っています。

月のピラミッドは遺跡の端っこにありますが、太陽のピラミッドは遺跡の真ん中あたりにあるので、360℃グルっと遺跡全てを見渡すことができます。

登るのは大変ですが、ぜひテオティワカン遺跡まで訪れたら頑張って登ってみてください。
「太陽のピラミッド」という名前が付いているのは、夏至の日に太陽がこのピラミッドの正面に沈むように設計されているためです。
1世紀にここまでの大きな建造物を、しかも天文学を理解した上で作っていることに、つくづく驚かされる建物です。
ケツァルパパロトルの宮殿

月のピラミッドのすぐ近くにある遺跡が、「ケツァルパパロトルの宮殿」です。
この遺跡の特徴は、テオティワカン遺跡の中でも最も当時の姿を忠実に復元した場所であることです。
テオティワカン文明において、ケツァル鳥は飛来すると雨をもたらすとされ、信仰の対象となっていました。
ケツァルパパロトルの宮殿には、そんなケツァル鳥が中庭の柱に羽を広げた姿でいくつも掘られています。
羽を広げた姿が「パパロトル(蝶)」のようだったので、ケツァルパパロトルの宮殿という名前が付きました。

天井部分の赤い装飾と青い空、柱に掘られたケツァルパパロトルが印象的な遺跡。
柱に近づいてよく見ると、ケツァルパパロトルの目には黒曜石が使用されてとても綺麗です。

テオティワカンは黒曜石の採掘が盛んな地域であり、古代にはナイフや矢じりなど、あらゆる場面で使用されていました。
遺跡内のお土産屋さんでも販売されているので、ぜひチェックしてみてください。
ジャガーの宮殿

ケツァルパパロトルの宮殿の中庭を出て、宮殿内の住居跡を横目に進むと奥にテントのようなものがあり、そこにあるのが「ジャガーの宮殿」です。

ここでは壁画が未だに鮮やかな色で残されており、「ほら貝を吹いている羽毛付きジャガー」は必見です。

当時ジャガーは、強さの象徴である大地と闇の神として崇められていました。
羽毛の生えた巻貝の宮殿

ジャガーの宮殿を道なりに進むと、どこからが境なのかよくわかりませんが、そのまま「羽毛の生えた巻貝の宮殿」に繋がります。
ここはケツァルパパロトルの宮殿下から発見された建造物跡で、テオティワカン人が意図的に埋蔵したと言われています。
そのため保存状態が良く、1,800年前の色がそのまま現存する「緑の鳥の行列」は色鮮やかでとても綺麗です。

宮殿の名前にもなった、羽毛の生えた巻貝の彫刻も見学できます。
緑の鳥の行列は比較的くらい場所にありますが、この場所はフラッシュ禁止のエリアとなっています。
フラッシュを焚いてしまわないように気を付けてください。
シティオ博物館
シティオ博物館は、テオティワカン遺跡内にある博物館です。
テオティワカン遺跡のピラミッドは大きいのですが、出土品などは全く置いていないので、古代の石器などが好きな方は物足りなさを感じてしまうかもしれません。
そんな時は、シティオ博物館に行きましょう。
ここではテオティワカン遺跡から発掘された石器や土偶、生贄の骨などを展示しています。
テオティワカン遺跡の土偶は、少し笑ってしまうような面白い土偶が多いので、面白い土偶を探したりするのも面白いです。
シティオ博物館は、太陽のピラミッドの横の道を1km弱ほど歩いたところにあります。
少し辺鄙なところにあるため、存在に気づかずに帰ってしまう方も多いです。
面白い土偶やミニチュアサイズで再現したかつてのテオティワカンなど、面白い展示物がたくさんあるため、時間がある方はぜひ訪れてみてくださいね。
ピラミッドと言うとどうしてもエジプトが浮かんでくるかもしれませんが、テオティワカン遺跡も古代文明の痕跡が残る素晴らしいピラミッドです。
頂上から死者の道を見渡す景色は、まさに映画の中の世界のようで感動します。
ぜひ本記事を参考に、テオティワカン遺跡を観光してみてください。
提供元・TABI CHANNEL
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