今回の記事では私がメインとして活動している上物だけではなく、秋磯を広く捉えた楽しみ方を解説していこうと思う。狙う魚はグレだけではないのだ。食欲の秋という言葉からも秋磯はおいしいターゲットがめじろ押しなのだ。よって釣って楽しむというのもあるのだが、持ち帰っておいしく食べるということも考慮して書いていきたい。
(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース中部版 東弘幸)
やっぱりメインは尾長グレ
暑さも和らぎ、朝晩は肌寒さも感じるこの季節。秋は磯釣り師にとってトーナメント開催や、冬の寒グレに向けたスタートを切る意味でも大切な季節だ。各メーカーからも新製品がめじろ押しで、楽しい秋磯の開幕だ。
まずは私がメインとしている上物のフカセ釣りについて解説していこうと思う。やはり狙うのは王道ともいえるグレだ。しかし、ただグレを釣って楽しいなーというワケではない。グレには口太グレと尾長グレ(オキナメジナもいるが)がいて、狙う場所や潮によって釣り方が全く違う。
![秋の磯釣りは二刀流がオススメ 釣り方に拘らず美味魚を狙おう](https://tsurinews.jp/data/wp-content/uploads/2022/09/20220930cb0201.jpg)
個人的には同じグレでも、全く違う魚として捉えているほどだ。秋磯の大会、トーナメントで狙うのは口太グレだ。しかし夏を引きずっている秋の口太グレは寒グレほどの脂もなく、それほどおいしいとも思えない。
潜り潮の見極めがキモ
だからプライベートで釣行するなら、できるだけ尾長グレに照準を合わせて行きたい。尾長グレは尾長グレが回遊する潮通しの良い沖磯へ行かなければ釣れない。これは事前に船長に確認しておきたいポイントだ。
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尾長グレを釣る場合、私が一番見ているのが海だ。サラシの方向、潮の流れ(引かれ潮、本流)がどこでぶつかり、どっちに流れてどこに潜り潮が発生しているのか……。海を見て、まずはどこにまきエサの落ち着く潜り潮があるのかを探す。九州のような激流は三重県にはない。そして九州のように流れる潮の中で食ってくるパターンも三重県では少ない。
よって狙うのは潜り潮の発生している場所、これに尽きる。まきエサがたまる場所は当然仕掛けも落ち着く。長時間まきエサを留まらせておける場所には、魚も集まりやすいということだ。そこではさまざまな魚種が姿を見せてくれるだろう。
美味しい魚たちが続々
表層でヒットするタカベは実は旬のイサキのように脂の多い魚で、小さいからといってバカにしてはいけない。塩焼きにすると、バターのような黄金の脂がじゅわーっとあふれ出して至高の味を楽しめる。
そしてこの時期になると肝が大きくなり始め、うまさが倍増するのが本カワハギ。上物のタックルのまま市販の仕掛けを結んで、アサリを付ければ即座に釣れる。釣りまくっておすそ分けにしても喜ばれる魚だ。
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またこの時期は青物の回遊も多く、シオ(カンパチの幼魚)、ハマチやシイラもヒットしてくる。もしこれらの魚種を狙うのであれば、後述するルアーで狙った方がゲーム性があり楽しめる。仕掛けを入れていけば本命の尾長グレを狙うことができるし、さらに深く入れ込めばイサキやマダイも狙うことができる。