落ち込みで山女魚と対面

明るく開けたブナの森が現れると、スギ苔が光る落ち込みに岩魚のポイントを見つけた。キジをつけ投入。アタリなし……。仕掛けが淵から瀬へ廻り込んだその時、瀬尻から飛び出た魚はパーマークが美しい20cmほどの沢山女魚。初の一匹を手にした。

入渓者の足跡は気になっていたが、この様子では本日の先行は私である。安堵と共に遭難回避の緊張を戒める。熊避けの鈴音が水音に消され小滝を高巻くころ、山女魚の姿は消え小岩魚のアタリが出てきた。

東京都の秘境「奥多摩」で4日間の源流釣行 尺級岩魚に山女魚と対面1匹目の山女魚(提供:TSURINEWSライター中山祐司)

22cm頭に岩魚を連打

ハリサイズを上げエサをブドウ虫に切りかえる。今回川虫は小さく敬遠した。沢グルミの下小さな落ち込みでアタリが来た。静かにイトを送り込んだ目印は、暗い岩陰で止まった。間合をとって抜き上げたのは22cmの天然岩魚だ。この一匹の為にここまで来た。型は小さいが満足である。

その後小型リリースを2回し、20cmの岩魚を追加した。魚籠には山女魚と岩魚が2匹ずつ入った。心も満たされこの先続くポイントを土産に本日は納竿とし沢を降った。

東京都の秘境「奥多摩」で4日間の源流釣行 尺級岩魚に山女魚と対面岩魚を追加(提供:TSURINEWSライター中山祐司)

3日目は別の沢へ釣行

3日目は薄曇りの朝、昨日とは異なる沢へ出発。昨日の足袋は乾ききらず不快な足入れはいつもながら辛い。1時間ほどで沢へ降り立った。沢登りだろうか?足跡も多く場荒れ気味の感がする。沢筋にテン場の跡もあり、小場所を攻めるが山女魚もスレている。

タックル交換で12cm岩魚

ハリをバーブレスに交換し、竿を6.3mへ切りかえ遠めからのアプローチを心掛ける。ハリは彦兵衛の年代物を見つけ今回使用した。懐かしいパッケージである。

イワタバコの群生を見送ると小岩魚がのんびりと泳いでいる。源流の匂いが高まって来た。小さな落ち込みで、本日初の小岩魚が出た。12cmほどだ。リリースしブドウ虫を交換する。左岸の沢を見送ると二段の落ち込みに流木が覆う淵にでた。

尺級岩魚が登場

好ポイントである。流木をかわし岩陰の淵に投入すると、竿に伝わるゴツゴツ感。岩魚の魚信だ。目印がゆっくり岩陰へ動く。イトを送り一呼吸の間でアワセに入る。ハリはバーブレスなので、完全に飲み込まれていることを願う。

根掛かりのような重みは中硬のロッドをしならせた。岩穴へ入り込んだ岩魚を引きずり出すには足場が高い。バレを考慮してイトを緩めず水際へ降りた。0.6号のイトは流木に喰われたらひとたまりもない。

大物ではないにしろ取り逃がす訳には行かない。竿を縮めながらネットを広げ、魚を引き出しにかかった。勝負である。ゲット。ハリは呑まれていた。岩魚は尺に近く大満足である。写真に納め次の淵で25cmを追加した。魚影も濃くなってきた。

東京都の秘境「奥多摩」で4日間の源流釣行 尺級岩魚に山女魚と対面良型の岩魚(提供:TSURINEWSライター中山祐司)