目次
不動産投資における4つの注意点
不動産投資における賃料相場
不動産投資における4つの注意点
不動産投資には、始めた後に生じる可能性のあるリスクが存在します。主な不動産投資のリスクを4つ紹介します。
空室リスク
不動産投資は家賃収入という不労所得を得られますが、常に入居者がいるとは限りません。入居者が転勤や結婚といった事情で退去することもあるため、空室はいつか必ず発生するものです。
仮に1室の家賃が10万円で、8部屋あるアパートを所有していた場合、満室なら家賃は毎月80万入りますが、1部屋空室が発生すれば70万円に下がります。
並行して不動産投資ローンも返済していると、空室が発生した場合の不動産投資のキャッシュフローはマイナスになる可能性があります。
4部屋のアパートで、毎月の不労所得が26万円(1部屋あたりの家賃は月6.5万円)、返済額が月25万円の場合、空室が発生するとキャッシュフローは以下のように変化します。
満室の場合 | 1部屋空室が発生 | |
---|---|---|
不動産投資ローン返済額 | 25万円 | 25万円 |
家賃収入 | 26万円 | 19.5万円 |
キャッシュフロー | 1万円 | ▲5.5万円 |
設備故障
不動産投資では、設備故障による修理費など突発的な支出が発生する可能性もあります。また、老朽化によって設備の交換が必要になるケースもあるでしょう。
不動産投資に関連する主な設備の交換時期や交換費用の目安は以下の通りです。
主な設備の交換時期や交換費用の目安
設備 | 交換時期の目安※1) | 金額※2) |
---|---|---|
ガスコンロ | 15~20年 | 6万円 |
ウォシュレット | 10年 | 3万円 |
フローリング | 15~20年 | 1㎡当たり3,000円 |
給湯器 | 8~10年 | 7万円 |
インターホン(モニター付) | 15年 | 5万円 |
※1)交換時期は使用状況により早まることがあります。
※2)金額はそれぞれの性能によって異なります。
また、所有する物件数や部屋数が増えれば、設備故障が発生する件数も増えること、築年数が経てば経つほど、設備故障の発生頻度が増えていくことは留意しておく必要があります。
資産価値下落リスク
不動産投資において、空室を埋めるため家賃を下げて入居者を募ったり、築年数の経過に伴い物件が老朽化したりすると、資産価値が下落する可能性があります。
アパートやマンションなどの物件価格は、家賃収入を利回りで割る「収益還元法」という方法で計算をします。
アパートの年間家賃収入が200万円、経費40万円、還元利回り7.0%とした場合、物件価格は以下のように計算します。
{(200万円-40万円)÷7.0%}=約2,285万円
この計算式に当てはめてみると、不動産投資の家賃収入が減少すると、物件価格も下落することがわかります。
仮に売却を検討していて、売却時に不動産投資ローン残高が売却価格よりも上回っているとオーバーローンとなり、売却したくても売却できない資産になってしまうリスクもあります。
災害リスク
不動産投資向けに所有している物件が、火事や落雷・台風・洪水などの自然災害により損害を受けてしまうと、修理や修繕が必要になり費用が発生します。
不動産投資向けの物件に火災保険をかけておけば、火事や自然災害による損害は、保険金額の範囲内で補償されますが(新価・実損払いの場合)、修理代全額が認定されるとは限りません。
また、地震で建物が損壊した場合は、通常の火災保険では補償の対象外になります。地震による損害をカバーするためには、火災保険に特約として地震保険を付加しておくことが必要です。
ただし地震保険は、火災保険の半分の保険金額までしか設定ができないので、損害の内容によっては十分な補償を受けられないことがあります。
不動産投資における賃料相場
区分マンションと、アパートの賃料相場を23区・東京圏・地方(静岡県)で比較してみましょう。
区分マンション投資
出典元:LIFULL HOME’S「静岡県の家賃相場情報」「東京都の家賃相場情報」の2022年7月29日(金)時点のデータを加工して利用
23区は相対的に賃料の相場は高めですが、東京圏と地方を比べると家賃の下値ラインではさほど差がありません。
アパート投資
出典元:LIFULL HOME’S「静岡県の家賃相場情報」「東京都の家賃相場情報」の2022年7月29日(金)時点のデータを加工して利用
全体的に区分マンションよりは家賃が安めです。特に地方のアパートの賃料相場はとりわけ低い水準であることが分かります。