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会社員ができる節税
仕組みを知って賢く手取り額を増やそう

会社員ができる節税

手取り額は年収の7割~8割程度。税金を節約するにはどうすればよい?
(画像=『RENOSYマガジン』より引用)

手取り額を増やすポイントは、所得控除を上手に使い、所得税や住民税の負担をできるだけ減らすことです。会社員が活用しやすい所得控除の一例を紹介します。

最大12万円の生命保険料控除を受ける

生命保険に加入すると、最大12万円の「生命保険料控除」が適用されます。

国民皆保険制度が整備されている日本では、「生命保険は不要」という考え方もありますが、生命保険料控除によって軽減される税負担をリターンと考えれば、一般的な金融商品よりも利回りが高いとみることもできます。

以下は、新契約(2012年1月1日以後に締結した保険契約等)に基づく場合の控除額です。

年間の支払保険料等控除額
2万円以下支払保険料等の全額
2万円超4万円以下支払保険料等×1/2+1万円
4万円超8万円以下支払保険料等×1/4+2万円
8万円超一律4万円

なお、保険期間が5年未満の商品の中には、控除の対象外となるものもあります。加入前に確認しましょう。

参考:No.1140 生命保険料控除|国税庁

医療費を管理・申告

「医療費控除」や「セルフメディケーション税制(医療費控除の特例)」を活用すると、所得税の一部が還付され、翌年の住民税も安くなります。

医療費控除は、1年間に支払った医療費が一定額を超えた場合に適用できる制度です。本人はもちろん、生計を同じくする配偶者や親族の医療費も医療費控除の対象となります。

  • 医療費控除の金額=実際に支払った医療費の合計額-保険金などで補てんされる金額-10万円(※その年の総所得金額等が200万円未満の場合は、総所得金額等の5%)

また「セルフメディケーション税制」により、特定のOTC医薬品の購入額が1万2,000円を超えた場合は、超えた部分をその年分の総所得金額より控除することが可能です(上限8万8,000円)。

控除対象となるOTC医薬品には「共通識別マーク」が付いています。ドラッグストアで薬を購入する際は、マークの有無を確認してから購入しましょう。

医療費控除やセルフメディケーション税制を利用する際は、基本的に「確定申告」が必要です。

参考:No.1120 医療費を支払ったとき(医療費控除)|国税庁

住宅ローン控除の活用

住宅ローンを利用してマイホームの新築・取得・増改築(以下、取得)をした場合、「住宅借入金等特別控除」や「特定増改築等住宅借入金等特別控除」などが受けられます。住宅借入金等特別控除の控除率は一律0.7%で、控除期間は最長13年間です。

また、住宅ローンを使用しないケースにおいても、要件を満たせば「住宅耐震改修特別控除」「住宅特定改修特別税額控除」「認定住宅新築等特別税額控除」などが適用されます。

控除額の計算方法や手続きの方法は、取得した住宅によって異なります。詳しくは国税庁のウェブサイトを確認しましょう。

参考:マイホームを持ったとき|国税庁

ふるさと納税やiDeCoの節税効果は?

ふるさと納税を節税と考える人もいますが、ふるさと納税では節税や減税はできません。控除上限額内の2,000円を超える部分が、還付または控除の対象となる仕組みで、負担すべき所得税や住民税が減るわけではないのです。

厳密には納税ではなく、自分が応援したい自治体に寄付ができる「寄付制度」である点にも留意しましょう。ふるさと納税の魅力は、自治体から返礼品がもらえることです。

iDeCo(個人型確定拠出年金)は、拠出した掛け金を自分で運用する私的年金制度の一つです。掛け金額(毎月の限度額あり)は全額所得控除の対象となるため、積立期間中は所得税と住民税が軽減されるのがメリットです。

iDeCoの受取時は、元本と運用益の全体に対して課税されますが、受け取り方式に応じて「公的年金等控除」または「退職所得控除」が適用となります。

節税以外にも収入を増やす方法を考える

所得控除は全部で15種類ありますが、人によっては「基礎控除以外は対象外」という人も多いはずです。節税のみで収入や貯金額を増やすには限界があるため、「副業」や「投資」も視野に入れましょう。

副業の場合、事業所得として青色申告で確定申告を行えば、最大65万円の「青色申告特別控除」が受けられるうえ、損失が生じた場合は損益通算による繰越控除が可能です。

投資は、株式投資や不動産投資、FX(外国為替証拠金取引)など、さまざまな種類があります。投資の世界ではリスクとリターンは比例の関係にあり、初心者がハイリスク・ハイリターンの投資に手を出すと、大きな損失を被る可能性があるでしょう。

リスクをコントロールしながら着実に資産を形成したいのであれば、「投資信託」から始めてみるのも一つの手です。

参考:No.2072 青色申告特別控除|国税庁

仕組みを知って賢く手取り額を増やそう

手取り額は年収の7割~8割程度。税金を節約するにはどうすればよい?
(画像=『RENOSYマガジン』より引用)

手取り額を増やす方法としては、「努力して給与アップを狙う」「所得控除を使う」「副業や投資を行う」などがあります。

いずれの方法を選ぶにしても、現時点での総支給額と手取り額、控除額などをしっかりと把握することが重要です。税金の仕組みを理解したうえで、資産形成や貯蓄をスタートさせましょう。

※本記事では、記事のテーマに関する一般的な内容を記載しており、より個別的な、不動産投資・ローン・税制等の制度が読者に適用されるかについては、読者において各記事の分野の専門家にお問い合わせください。(株)GA technologiesにおいては、何ら責任を負うものではありません。

提供元・RENOSYマガジン

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