登山でクレバスから身を守る心得

①事前に情報を集める

自分が登る山の情報を事前に調べておきましょう。クレバスはほぼ同じ場所で発生し、それは山の地形と密接に関係しています。登る山のクレバスが発生しやすい場所を事前に把握することが身を守ることに繋がります。

初心者の方が氷河や雪渓にトライする場合はガイドの同行がおすすめです。ガイドは安全な登山ルートやクレバスが発生する場所を熟知しているので安心して登山できます。

②ロープや梯子を利用する

クレバスには梯子がかけられていることがあり、割れ目の幅が小さく見えても飛び越えるのは絶対にやめましょう。飛び越えようとして転落した事故が起きているからこそ梯子が設置されているのです。

また仲間とロープでつなぐことも必須です。梯子を慎重に渡っても足を滑らすリスクがあり、その時ロープで繋がっていれば底まで転落することが防げます。クレバスを渡る時にはロープと梯子を必ず利用しましょう。

③ピッケルで確認する

ピッケルはツルハシのように登山斜面を刺して体を支えるアイテムですが、雪に隠れて見えないヒドゥン・クレバスを探すためにも活躍します。怪しいなと思われる場所をピッケルで叩いて刺激するとするとクレバスが突如現れることがあります。

積雪時のヒドゥン・クレバス発見にはピッケルは最適と言え、登山で身を守る重要なアイテムのひとつと心得ておきましょう。

④緊急SOSが出せるスマホを携帯する

万が一クレバスに落下してしまった時に、緊急SOSが発信できるスマホを携帯していれば救助される可能性が高まります。モデルにより緊急SOSの操作の仕方が違うので事前に確認しておきましょう。もちろんクレバス滑落などの事故に巻き込まれないことが最も大切です。

日本の登山でクレバスが発生しやすい山

①立山連峰の剣岳

【登山知識】氷河の裂け目「クレバス」に落ちたらどうなる?危険から身を守る術は?
(画像=出典:jalan.net、『暮らし〜の』より 引用)

富山県の飛騨山脈北部の立山連峰にある標高2999mの剣岳は、日本では珍しい氷河が存在する人気の山です。景色と眺望が美しいことで有名な山ですが、特に長次郎谷雪渓や平蔵谷雪渓付近は積雪量が多く春になっても雪が残り傾斜もきつく危険なクレバスが発生しやすいので要注意です。

過去に何度も滑落事故が起きていて、美しさと危険が同居する場所と言えます。登山の魅力は危険と紙一重のところにあるのかもしれませんね。

劔岳
住所
〒930-1406
富山県中新川郡立山町芦峅寺
アクセス
富山地方鉄道 立山駅から立山ケーブルカーに乗車し美女平へ、美女平から立山高原バスに乗車し室堂へ(登山口)

②日本最大級の「白馬大雪渓」

【登山知識】氷河の裂け目「クレバス」に落ちたらどうなる?危険から身を守る術は?
(画像=出典:jalan.net、『暮らし〜の』より 引用)

後立山連峰にある標高2932mの白馬岳(しろうまだけ)は1998年の長野オリンピックのスキージャンプが開催されたエリアで、日本最大級の雪渓「白馬大雪渓」があることでも有名な人気の山です。

「白馬大雪渓」を一目見ようと長蛇の列ができる人気と裏腹に、クレバスが発生する危険地帯になります。そのため雪の上に赤い粉をまきクレバスを避ける安全ルートを示しています。過去には通行止になったこともあるので事前に確認しましょう。

白馬大雪渓遊歩道
住所
〒399-9301
長野県北安曇郡白馬村北城白馬大雪渓
定休日
休業:11月~翌6月※要問合せ
アクセス
JR大糸線白馬駅より松本電鉄バス猿倉行27分、猿倉より白馬岳方面へ徒歩1時間20分