過去クレバスに落ち生還した事故例

①ヒマラヤ山脈:ジョン・オール

ヒマラヤのヒルムン山のクレバスに落下し奇跡的に生還したジョン・オール氏の事故例です。クレバスに落ち右腕は脱臼骨折し顔は血だらけの重傷を負いながら、左手でアイスピックを使い垂直の雪壁を登り切ったのです。

しかも落下から生還するまでを動画に自撮りしていて、後にYouTubeに投稿され多くの人に感動を与えました。まさに登山家の勇気と精神力の強さを物語る事故例と言えます。

②運命を分けたロープ:登山家イモトアヤコ

テレビ番組で世界の山を登山する姿が紹介されるイモトアヤコさんが、登山トレーニング中にクレバスに落下し、からくも命拾いをした事故例です。テレビ番組で南極最高峰の登頂に挑むためスイスでの強化合宿中、先を歩くガイドがヒドゥン・クレバスを発見しイモトさんはそれを飛び越えようとして誤って転落してしまったのです。

  • その様子は番組で大反響

イモトさんはカメラマンやガイドとロープで繋がっていたためクレバスの底まで落ちることがなく命拾いをしました。もし落ちていれな大惨事になったことは間違いありません。その様子が番組で放映されクレバスの脅威を感じた方が多いのではないでしょうか。また氷河や雪渓を登山する場合互いにロープを繋げる大切さがわかる事例です。

救助を断念した悲惨なクレバス事故

天山山脈ボゴタ峰:白水ミツ子隊員

天山山脈ボゴタ峰を登頂し、その下山中にヒドゥン・クレバスに転落した京都山岳会登山隊所属の白水ミツ子隊員の悲惨な事故です。救助隊が到着した時には彼女の声が聞こえ生存していました。

しかしクレバスの入り口は人ひとりがやっと通れるくらいで、中はもっと狭く壁が屈折しています。救助隊員が何度も降下を試みますが降りることができず、ザイルを下ろしてみますが掴むことができません。

  • 白水ミツ子隊員の最後の言葉

何度も声をかけながら救助を試みる宮川隊員の耳に「宮川さぁーん、私ここで死ぬからぁ―、奥さんも子供もいるからー、あぶないからぁー、もういいよぉー」と弱々しい声が響いてきたのです。

死に直面しながらも相手を心配する彼女の優しさと勇気、助けてあげられない悔しさが入り混じる思いの中ついに救助は打ち切られ、14年後に白骨化した遺体が発見されました。