ユーザー参加型のCG世界への序章「新京都」

——リアルさを大切にしているとのことですが、最近ではオリジナルCGコンテンツもリリースしていますね。

姜:ファンタジーや過去の世界、彼方の宇宙など、CGでなければ表現できないものもあると考えたからです。

今後はメタバースのような、ライブかつインタラクティブなCGに取り組むことを視野に入れています。世界各国の撮影風景に加え、2022年3月からは本格的にオリジナルCGプロダクションに参入し、6月に近未来の京都を舞台にしたオリジナルCG世界「新京都」をリリースしました。


——「新京都」とは、どのような世界なのでしょうか?

姜:「新京都」は、京都北部の海沿いに誕生した2060年の未来都市という設定です。空飛ぶクルマやユニコーン型のペットロボットといった未来のテクノロジーをUnreal Engine 5の技術で表現しています。

「多様かつ自由でグローバル」や「緑あふれる地球を取り戻す活動が、都市レベルで義務になっている」など、当社として「こうあってほしい2060年 in 新京都」を表現しています。

——2060年という、遠すぎず近すぎずの未来を考えるのは、難しそうですね。

姜:そうですね。技術的なことよりも、設定を考えることが難しかったです。「2060年って、一体どんな世界になっているのだろう」や「2060年に街で流れているのは、どんな広告なのか」など、いろいろと悩みました。現代とまったく同じということはないでしょうから。

——「新京都」には、コーヒーショップ「MUNE Coffee from Shin Kyoto」もあるそうで。2060年も、人々はコーヒーを愛飲していると考えたのですね。

姜:私たちがコーヒー好きということもあり、「2060年もコーヒーは飲まれているのかな。カフェインが禁止なんてことになっていたら?」「いや、そもそもお店ってあるのだろうか」など、いろいろと考えました。

「新京都」では、コーヒーは“レトロ”な飲み物となり、2060年は何周期目かのブームになっていることにしています。

私たちが普段からよく行く京都のリンコーヒーさんに「2060年の未来にあるカフェのコーヒー豆を現代でも飲めるようにしたい。未来と現在をつなぎたい」と話をしたところ共感してくださり、毎月1日に個数限定でアトモフ公式ストアでコーヒー豆を販売しています。

コーヒー豆にはアラビカ種100%のプレミアムコーヒーを使用しており、苦味と甘味のバランスが取れた、しっかりとした味わいが特徴です。

——今後の展望を教えてください。

姜:「新京都」のみならず、当社オリジナルのCGの世界を、Atmoph Studios(アトモフスタジオ)として展開していく予定です。一番挑戦したいのはドラマ制作ですね。CGでも、実際の俳優を起用してでも、ドラマ仕立てでコンテンツを作っていくということなども考えています。