目次
5. 最澄が祈る御廟がある比叡山延暦寺「西塔エリア」の見どころ
6. おみくじ発祥の地がある比叡山延暦寺「横川エリア」の見どころ
5. 最澄が祈る御廟がある比叡山延暦寺「西塔エリア」の見どころ
東塔と横川エリアの間に位置する西塔エリア。こちらは第2世天台座主の円澄によって開かれました。


5.1 常行堂(じょうぎょうどう)
延暦寺の修行のうちの一つである、「常行三昧(じょうぎょうざんまい)」という修行が行われるお堂です。851年に円仁が創建し、現在は国の重要文化財に指定されています。

5.2 法華堂(ほっけどう)
常行堂と同じ形をしたお堂で、普賢菩薩(ふげんぼさつ)が本尊です。中は非公開となっていますが、こちらも国の重要文化財に指定されています。

5.3 釈迦堂(しゃかどう)
釈迦如来が御本尊の、西塔エリアの本堂。比叡山に現存する建築物では最古の建物で、豊臣秀吉が三井寺から移築したそうです。こちらも国の重要文化財に指定されています。

5.4 浄土院(じょうどいん)
この浄土院には、自分の全てを最澄のために捧げる「侍真(じしん)」という役割の僧侶がいます。たった一人で浄土院に12年間こもり、最澄のために毎日同じ時間にお勤めをし続けるのが侍真の役割です。それだけでもかなり大変なことですが、その役割を与えられる前にも厳しい修行があるのだそう。
毎日欠かさず12年間も勤め尽くし続けることは、私たちには想像もつかないほどの精神力を要することでしょう。

5.5 伝教大師 御廟(でんぎょうだいし ごびょう)
浄土院とその後ろ側に佇む最澄の御廟(ごびょう)は、比叡山延暦寺の中でも最も神聖な場所と言われています。最澄は今もなお、世のため人のためにここで祈り続けていると言われています。
6. おみくじ発祥の地がある比叡山延暦寺「横川エリア」の見どころ

第3世天台座主、円仁(えんにん)が開いた横川エリア。東堂エリアからシャトルバスで15分、西塔エリアからシャトルバスで10分のところにあります。

6.1 元三大師堂(がんざんだいしどう)
比叡山延暦寺の鬼門を守る横川エリア。まずご紹介したいのが、元三大師が祀られているお堂です。元三大師の本来のおくり名は「慈恵大師(じえだいし)」ですが、正月三日に亡くなったことから、「元三大師(がんざんだいし)」と呼ばれ、親しまれています。

生前から人並み外れた霊力を持っていたそうで、数々の伝説が語り継がれています。厄除け大師、角大師と呼ばれるようになった理由もそのうちの一つで、元三大師が大きな鏡の前で禅定に入っていたところ、骨の鬼の姿が鏡に映り、それを弟子たちが素早く写し取ったのが始まりなんだそうです。

私たちが当たり前のように引いているおみくじも、元三大師が考案したものです。

東塔エリアのおみくじ場所には「おみくじの心得」が細かく書かれていて勉強になります。

6.2 横川中堂(よかわちゅうどう)
横川エリアの中心となる建物。第3代天台座主 円仁(えんにん)が、聖観音菩薩(しょうかんのんぼさつ)をご本尊として建立しました。船が浮かんでいるように見える、舞台づくりが特徴のお堂です。

6.3 龍が池弁天と龍神
横川エリアの入り口を進んでいくと、初めに見えるのがこの池。昔、この池に住みついていた大蛇を元三大師が封じ込めて弁天さまをお迎えし、龍神として弁天さまの遣いにさせたという言い伝えがあります。それからというもの、龍神さまは横川の地を訪れる人々の道中を守り、心願成就を叶えてくださっているそうです。