目次
3. 日枝神社の見どころとパワースポット
4. 日枝神社のもう一つのパワースポット「末社」へ
3. 日枝神社の見どころとパワースポット

<日枝神社のマップ>
日枝神社巡りのなかでも、一番ご利益があるとされる、男坂のある表参道から入るルートを紹介していきます。
表参道から神門をくぐり社殿にお参りし、3つの神社が祀られている末社へ訪れ、千本鳥居が美しい稲荷参道を下っていく20分ほどのコースです。時間は短いですが、日枝神社を十分満喫することができます。
それでは、日枝神社の玄関口「山王鳥居」へと向かいましょう。
3.1 山の形をした独特な鳥居が目印の「山王鳥居」

日枝神社の鳥居は「山王鳥居」と呼ばれ、ほかでは見られない、日枝神社独自の鳥居となっています。その特徴は鳥居の上部に三角形の破風(屋根)が乗った形になり、仏教の胎臓界(大日如来のもつ慈悲と受容の力)・金剛界(大日如来のもつ強い意志の力)と神道の合一(合わせて一つになる)を表現しています。

この山王鳥居は、表参道と裏参道、西参道の3か所に設置されています。
日本経済の中心地でもある永田町のオフィスビル郡の中にあるとは思えないほど開放的で緑豊かな場所にある日枝神社。一歩中に入ると都会とは思えないほど静かで開放的な空間が広がります。その存在感に気持ちもピリッとしていくのがわかりました。
3.2 表参道にそびえる急階段「男坂」

神社へは、一番ご利益があるとされる表参道(男坂)から入ることをおすすめします。それは、後ほど触れる日枝神社最大のお祭り「山王祭(さんのうまつり)」の時にお神輿が男坂から境内に入ることとも関連しています。

しかしながら、写真を見ていただくと分かるように男坂は幅広な急階段になっています。妊娠中の女性や足腰が悪い方、体調が悪い、晴れ着などで歩くのは難しいかもしれません。
そんな時は、男坂の左側に「女坂」と呼ばれる緩やかな坂を利用するのがおすすめです。女坂を登りきった後、男坂を背に神門に一礼すれば同じご利益を得ることができます。
この女坂ですが、江戸時代に将軍が参拝する時だけ使用されていたため、「御成坂」とも呼ばれているのだそうです。
3.3 手水舎でしっかりと身を清めよう

男坂の石段を登ると左手に手水舎があります。神社に入る前に、手と口を洗って身を清めてから参拝しましょう。古来より水には穢(けが)れを祓い身を清める力があるとされています。
神社の右奥、末社の手前にも手水舎があるので、こちらでも同様に身を清めてから入ることをおすすめします。
3.4 徳川家縁の品々が収蔵された宝物殿

手水舎の脇には日枝神社の宝物を納める「宝物殿」があります。神門をくぐる前に立ち寄ってみました。
これは、昭和53年に行われた江戸城内御鎮座500年大祭の記念事業の一環として、その翌年に建てられたもので、中には国宝・重要文化財を含む貴重な刀剣や徳川将軍家縁の品々が納められています。
鈍い光を放つ刀剣の、歴史と重厚感のある佇まいに圧倒されました。なお、宝物殿に展示されている宝物の撮影は禁止されています。
3.5 ハートマークを見落とさないように!「神門の猪の目」

朱色と緑のコントラストが美しい神門をバックに記念写真を撮ったら、いよいよ神門から社殿へと進んでいきたいと思います。

......が、先ずは入り口で少し立ち止まってみてください。扉などにハートマークの文様がたくさん見つかります。

これは「猪の目(いののめ)」という飾り道具で、昔から魔除け、災難除けとして用いられてきました。神門以外にも賽銭箱にハート型の模様が見られます。
「写真に撮って待ち受け画面にすると恋が叶う」と言われ、写真映えするスポットとして人気です。
3.6 神門の守り神、神猿(まさる)像

日枝神社の神使は猿といわれていて、神門と社殿には写真のように夫婦猿の像が安置されています。大山昨神が山の神であり、猿とは縁があることから、ご神猿として拝されるようになりました。神門には神猿(まさる)像がお守りされています。
猿(さる)は、勝る(まさる)、魔が去る(まがさる)と考えられ、魔除けや浄化、勝運のご利益があります。猿(えん)と読むと、文字通り、縁(えん)を運んでくれるとされ、縁結びや商売繁盛のご利益も得られます。
3.7 社殿の力強く美しい天井絵もお見逃しなく

神門を抜けると威風堂々とした社殿が現れます。神門と同様に朱色と緑の配色が美しく、青空に映えます。神前ということで自然と背筋も伸びていくのがわかりました。まずはご挨拶をしておきましょう。
元々あった社殿は残念ながら昭和25年(1950年)の東京大空襲で全焼してしまったそうで、現在の建物は昭和33年に再建されたものになります。再建される以前の社殿はすべて木造で、国宝にも指定されていました。
平日の昼間に訪れましたが、場所柄なのか多くのビジネスマンらしき人たちの姿が見られました。お昼休みの休憩を利用して気軽に参拝に訪れているようです。
お賽銭を入れるときに社殿の中を少し見上げてみてください。とても見事な天井絵を見ることができます。
これは、御社殿の復興50年を記念して国立東京藝術大学の宮田亮平学長監修のもと製作されたもので、日枝神社草創期(鎌倉時代中期から北条時代)の武蔵野を彩っていた花、草、木、鳥、虫などをモチーフとした123枚の絵が社殿の天井に掲げられています。
天井絵は写真撮影が不可となっていますので、ぜひご自身の目で見ていただきたいです。
3.8 社殿を守る愛らしい夫婦神猿像

社殿に向かって左が母猿像です。子ざるを抱いているこの母猿像は、子授けや安産のご利益があると言われています。
ほかにも縁結びや家内安全といったご利益もあり、とりわけ女性に人気のパワースポットです。参拝して撫でるとご利益倍増とのことで、たくさんの人でにぎわっていました。

社殿向かって右側にある父猿像は、出世開運、社運隆昌、商売繁昌のご利益があります。メスざる同様に撫でるとご利益がさらに上がります。ちなみに、日枝神社では狛犬ではなく狛猿になるのでお間違いなく。
4. 日枝神社のもう一つのパワースポット「末社」へ

隠れた開運スポットとして今注目を集めているのが日枝神社の末社です。末社とは、境内にある小さな神社のことで、日枝神社には、末社として三つの神社が祀られています。
上記写真の向かって左側が「山王稲荷神社」、右側には「猿田彦神社・八坂神社」の2社が合祀されています。
それぞれを詳しく見ていきましょう。
4.1 山王稲荷神社

山王稲荷神社には、この地に元からいた地主神「倉稲魂命(うかのみたまのかみ)」が祀られています。「うか」とは穀物、食べ物の意味で、穀物の神、稲荷神として古くから信仰されてきました。また、農業や商工業の神でもあるため、参拝すれば商売繁盛のご利益も得ることができます。

願いを書き記したお稲荷様の御眷属(神の使いの動物)も奉納されていました。
4.2 八坂神社

八坂神社のご祭神は、海や嵐の神、荒ぶる神として知られる素盛鳴神(すさのおのかみ)。さまざまな罪を犯すものの、逆境に立ち向かい、それを克服したという英雄であり、国津神(くにつかみ ※土着の神)でもあります。どのような困難にも立ち向かっていけるような強い力を頂くことができます。
4.3 猿田彦神社
猿田彦神社には天孫降臨の道案内をしたという猿田彦神が祀られています。そのことから、旅人の神、道の神とされ崇められてきました。
道といってもさまざまですが、人生においての道案内を助けてくれる存在とも言えます。そのことから、仕事のご縁を与えてくれる神としても親しまれています。

猿田彦神社をはじめとするこの3つの末社は、上記写真のように社殿の右奥の開放口から入ることができますが、意外と見過ごしてしまう人も多いので、参拝するときに注意しましょう。神社の木々と真っ赤な鳥居と旗、そして高層ビルのコントラストがここにしかない美しい景色を生み出しています。
4.4 神聖な空気に満ちた「千本鳥居」

3つの末社を背に右手に見えてくるのが鮮やかな鳥居がある稲荷参道です。男坂のある表参道からみてほぼ裏側にあるため、裏参道などとも呼ばれています。この鳥居をくぐった先の階段に朱色の鳥居が美しい「千本鳥居」が現れます。

都内に2ヶ所しかない千本鳥居の一つで、明るい境内の空気とも違う、とても落ち着いた、不思議な雰囲気に満ちた場所です。心も徐々に落ち着いていくのが実感できますよ。
社殿右奥の裏手に位置するため少し分かりづらい場所になります。忘れずにお立ち寄りください。