美容院のように当たり前に通う場にしたい

——今後の展開についてお聞かせください。

西野:Oh my teethの導入クリニックを今後3年以内に70店舗に増やし、2030年には4人に1人が使っているサービスを作りたいと思っています。たとえば美容室のように、月1回とか数か月に1回は定期的に足を運ぶ場所というイメージです。

現在は、歯科矯正のほか自宅でできるホームホワイトニングを扱っているのですが、今後は審美系からラインナップを拡充し、その後、クリーニングや歯石取りといった予防の領域に広げていきたいと考えています。

そして、いずれは治療の領域も提供できればと思っています。ただし保険診療の場合、1回の通院で行える処置の量が決まっているために、何度か通ってもらわなければならないなどの制約が生じてしまいます。「時間がなくても気軽に通える」というOh my teethのコンセプトは大切にしたいので、自由診療を利用してたとえば虫歯治療が1日で完結するようなものを提供していけたらいいですね。

——歯科通院のイメージが大きくかわるサービスだと感じました。

西野:定期的なクリーニングで予防したほうがよいとわかっていても、今困っていない人はなかなか歯医者に足を運ぶことができません。

そこで、まずは審美などの成果を実感しやすいアプローチから始めて、歯の健康を意識する方を増やしていきたいというのが私たちのビジョンです。

気軽に入ることができて、すぐに終わる、そして歯並びがきれいになる、歯のメンテナンスができる。「これが歯医者なのか!」と驚いてもらえるような圧倒的な体験を提供していきたいと考えています。

(文・酒井麻里子)