ノルウェーでは、基礎疾患を有する高齢者施設入居者がワクチン接種後に多数死亡したことが問題となりました。当時、日本では高齢者施設でのクラスターが大問題となっていました。そのため、高齢者施設での接種推進が最優先課題であり、ノルウェーの問題を軽視していた可能性があります。したがって、日本の特別養護老人ホームでノルウェーと同様の現象が発生していたとしても不思議ではありません。しかし、日本ではそのような報道はありませんでした。大量の死亡がなかったから報道がなかったのか、政府に忖度して報道しなかったのか、今後検証されるべきです。
ネットで調べたところ、10年前の発表ですが、特養内死亡の推移を調べた論文がありました。この論文では、全国の特別養護老人ホームへ郵送やFAXで調査票を送付してデータを収集しました。この手法を用いれば、2021年の3月~7月の特別養護老人ホームの死亡発生率を調べることが可能です。もし、4月の死亡発生率が突出して高ければ、私の推測が正しかったことになります。今後、どこかの大学が、このような調査を実施してくれることを、私は強く期待します。
【補足】
今回の論考で使用している月は、一般的な月とは少し異なります。 具体的には、4月は、4月1日~4月30日ではなく、4月4日~5月1日です。 月の最初の日曜日より始まる週を第1週としています。これは、ダッシュボードの累積グラフにおいて、月の定義がそのようになっているためです。累積グラフで、月ごとの超過死亡数を取得する方法は、こちらの解説を参考にしてください。なお、4週の月と5週の月があるため、グラフでは5週の月のデータは5分の4に補正してあります。
文・鈴村 泰/提供元・アゴラ 言論プラットフォーム
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