女性タレントの告白
明るく元気な芸人・タレントとして名高い青木さやかさんが両親への葛藤を告白して話題になっています。親に認めてもらえないことがずっとコンプレックスで辛かったそうです。
元気や希望を届けるお仕事の方が、価値観どおりでない側面、言い換えれば「影」とも言えそうな体験を告白することはとても大事なことだと思います。なぜなら、「うちの家族は仲良くない」「私は親に認めてもらえない」と価値観に苦しんでいる方たちの勇気になるからです。
私が知る限り信頼できる統計はありませんが、「家族は仲良く」という価値観通り“何の確執もないご家庭”がどれだけあるのでしょう?臨床心理士としての私の印象ですが、意外と少ないような気がします。
人は自己中心的なので、ともに暮せば多少の不和はやむを得ない
人は本質的に自己中心的な生き物です。心は群れや社会を構成する前からその進化を始め、元々は自分自身の遺伝子を次世代につなぐという目的のために働いていました。
私たちは人に進化する過程で社会性を身に着けました。ただ、自己中心的な脳も私たちの深層心理ではずっと活動しています。生活をともにする中で気持ちの行き違いが生まれないはずがないのです。家族においては多少の不和があるのは当然のことと言えるでしょう。