ガス燈のある食堂
羽室家が同住宅を所有したのは、昭和28年(1953年)までのことです。その後は大阪ガス株式会社副社長を務めた四角誠一氏の所有となり、平成15年(2003年)まで実に半世紀の間、四角家の住居として使用されました。2003年に豊中市に同住居を寄付したのも四角家です。

私事ですが、筆者は四角家とは親戚関係にあり、子どものころはお年始などで同邸宅にお邪魔する機会がよくありました。当時、玄関や応接室は子供の入れる場所ではなく、たいてい台所側のお勝手口からお邪魔して、両親を待つ間、広い食堂で遊んでもらっていたように思います。思い出の中の食堂は、窓ガラスが多く明るい場所で、モダンな家具が並んでいました。そのころの印象そのままに、食堂にはいまも暖炉やガス燈などを見ることができます。

地域のイベント会場としても活躍
また、現在「原田城跡」という看板の立っている出入り口は、もともとは裏口です。お勝手口に近かったため、筆者の記憶に良く残っている場所でもあります。

同邸宅は「原田しろあと館」とも称され、開館日である週末には、コンサートや寄席、音楽や映像の鑑賞会、工作教室などのイベントの会場としても用いられています。無料で参加できるものも多くありますので、事前に豊中市のイベント情報ページでチェックすることをおすすめします。

原田城跡・旧羽室家住宅
- 住所:大阪府豊中市曽根西町4丁目4-15
- 開館時間:土曜・日曜の12:00~16:00(入館は15:30まで)
- 入館料:無料
今回は、昭和の同時期に建てられた阪神間の邸宅のうち、見学可能なものを2軒取り上げてみました。阪神間の邸宅見学、まだまだ続きますのでお楽しみに。
文・写真・冠ゆき/提供元・たびこふれ
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