カバートアグレッションという言葉をご存じでしょうか?人間の性格を表す言葉であり、もしかしたら自分の仕事場や友人など、身の回りに居てもおかしくないかもしれませんし、迷惑を被る可能性もあります。今回は、カバートアグレッションの特徴や対処法について解説します。
目次
カバートアグレッションとは?
カバートアグレッションな人の特徴
カバートアグレッションとは?

そもそもカバートアグレッションというのは、一言で言い表すならば「隠れた攻撃性」となります。英語に訳せばそのままCoverd aggressionとなり、正確としては一見善人に見えても、実際な他人を攻撃したり操ったりする人を指します。
心理学の言葉では「マニピュレーター」という言葉があり、自らが優位性のある立場に居たい、他者を自分の思い通りにしたいという、自分のために他人をコントロールする人の呼称の仕方があります。
マニピュレーターは一見すると良さそうな人に見えても、邪魔な相手は徹底的に排除しようとしたり、本心が漏れないように相手を追い詰めたりします。こういったマニピュレーターの性格の事を、カバートアグレッションと言うのです。
カバートアグレッションな人の特徴

おそらくあまり聞き慣れなかった言葉でしょうが、大まかに意味を知っても具体的にどんな人なのかはまだイメージしづらいでしょう。続いては、実際に存在するカバートアグレッションな人の特徴について見ていきましょう。
特徴①嘘をつく

まず、平然と人に対して嘘をつくという特徴があります。カバートアグレッションは人よりも優位な立場に居たい、ターゲットを陥れたいという傾向があるので、その為に平気で嘘が付けるのです。
それもありがちなものではなく、本当の事実の中に嘘を混ぜ込んだり、相手が誤解するようなぼかし方をするなど、巧妙な嘘をつきます。バレないような嘘をつく才能があり、こういった点はサイコパスにも通じるものがあるかもしれません。
特徴②被害者面する

被害者面をして相手から罪悪感を引き出すのも、カバートアグレッションにありがちな特徴です。例えば「~さんのためにやったのに」「そんな言われ方をすると傷付く」というように、まるで自分が被害者のように演じてみせるのです。
客観的に見て間違いなく本人に非があるような状況でも、罪悪感を誘われてしまえばそれ以上の責任追及などはしづらくなります。これが、カバートアグレッションの人間の目的なのです。
特徴③自分を正当化する

自分優位という自らの立場を守るために、自分自身を正当化するのもカバートアグレッションによくある特徴です。自分に都合よく物事を受け取るので、仮にトラブルが起きた時にも自分の言動が正当なものであると主張してくるのです。
環境のせいにしたり、ひどい場合には他人が過去に犯したミスを引き合いに出してくるなど、さも自分の非は小さなものであるかのように喧伝してきます。すなわち、如何に責任から逃れるのかを常に考えている訳です。
特徴④急に怒り出す

実は、カバートアグレッションの人は急に怒り出したりもします。人を操るような人間はともすれば冷酷な性格をしていそうなものと思われがちですが、その人心把握のために敢えて大勢の人の前で怒る、泣くといった情緒の振れ幅を演出して見せます。
実際にイメージしてみれば、大勢の人の前で感情的になっている人が居れば、周りの目を気にして何とか丸く収めようとします。こうして周りを利用して相手の行動を制限させ、自分のわがままや主張を押し通すのが狙いです。
特徴⑤自分に得にならないことはしない

ここまでの特徴でも何となくつかめているかもしれませんが、カバートアグレッションの人は自分が得をしないと思った事に関しては徹底的なまでに関わろうとしないのです。
やりたくない仕事や役割が自分に回ってきそうになった時には、それらしい理由を付けて誰かに押し付けたり、その場からそそくさと居なくなったりします。完全に損得で動いているのが分かります。
特徴⑥都合が悪いと無視する

自分に都合の悪い事を質問されたりすると、無視をするというのも共通しています。これもやはり、自分の立場を守るのに固持しているからと考えられ、汚点が露出しそうな質問などは上手くはぐらかします。
そして、問題のすり替えなども嫌味なことに得意としています。都合が悪くなれば、無知や混乱している状態を装って責任追及に至らないように逃れます。または、先述したような被害者面をしたりと、とにかく自分が悪い立場にならないようにしているのです。
特徴⑦力がある人に取り入る

自然界においては弱肉強食という言葉がありますが、人間社会においてもある程度そういった力関係が成立するケースもあります。そして、カバートアグレッションな人間はやはりこれを利用したがります。
力のある人が右を向けば同じく右を向きますし、左を向いていればそれに倣って左を向きます。力ある人に対してイエスマンな姿勢を貫くので、権力者からは好かれやすいですが、周りから見れば媚びを売っているとしか見られません。