ビギナーのためのバルクアップルールとして前回は栄養編を紹介した。今回はトレーニング編を紹介していこう。

多関節種目を選択する

バルクアップのためには、基礎をつくる種目を行うことが大切だ。つまり、多関節種目をメインにしたワークアウトが理想であり、一つの種目で複数の筋肉が同時に刺激を受けるようにすると効率がいいのだ。

推奨種目

●スクワット
●デッドリフト
●ベンチプレス
●ロウイング
●ディップス
●オーバーヘッドプレス
●ラットプルダウン
●プルアップ
これらの種目は全て多関節種目であり、複数の筋肉がひとつの動作で刺激を受けるという共通点を持っている。また、可動域が広く比較的高重量を扱うことができる点も共通している。しかし、これらの種目がバルクアップに効果を発揮する一番の理由は、単関節種目(アイソレーション系種目)を行ったときと比較すると、明らかに成長ホルモンやテストステロンといったアナボリックホルモンの体内分泌をより活性化させることができるからだ。筋量を増やし体を研磨していくためには、アナボリックホルモンの分泌を活発にすることが有用であり、そのためにも積極的に多関節種目を選択していくべきだ。

ネガティブ(下ろす動作)に重点を置く

思考はポジティブなほうがいいが、ウエイトトレーニングについて言うならネガティブ(下ろす動作)に重点を置くのがいい。なぜなら、ネガティブ動作は筋肉が長さを伸ばしながら強い緊張状態をつくり、それがより強い刺激を対象筋にもたらす。ましてやこのネガティブ動作をゆっくりしたスピードで行うと対象筋が受ける刺激はさらに大きくなる。 筋肉が長さを伸展しながら緊張状態をつくると、そのときに出力される力はウエイトを上げる動作(ポジティブ)より大きい。しかし、体にかかっている負荷は上げるときも下ろすときも変わっていないので、ネガティブ動作のときは動作に関与する筋線維の数は少なくなる。だとしたら筋発達にはマイナスではないかと思うかもしれないが、少ない筋線維でも運動に関与する筋線維がより強い刺激を受け、大きなダメージが筋線維にもたらされるのだ。

筋肥大をするために効率のいい筋トレ種目とは?
(画像=『FITNESS LOVE』より 引用)

筋肉発達にはダメージが必要だ。刺激によってダメージを食らった筋線維は傷つくが、その傷の修復が行われる過程こそが筋発達である。なぜなら、傷の修復によってより強く、より太く筋線維は生まれ変わることになるからだ。これまで実施されてきた多くの実験から、多関節種目とネガティブ動作の組み合わせは、筋発達にとても効果的であることが示されている。これは筋線維が受けるダメージが強いからだと考えられる。バルクアップのために多関節種目を積極的に行うなら、ぜひウエイトを下ろす動作、すなわちネガティブ動作をゆっくりしたスピードで行うようにしてみよう。