業務効率を改善し成果に反映させる上で欠かすことのできないフレームワーク「PDCA」。

しかしながらインターネット普及後のスピード時代において、PDCAサイクルが業務内容に噛み合わず「PDCAは古い」と言われることもしばしばあります。

こちらでは時代錯誤的なイメージを抱く人も多い「PDCA」についてわかりやすく解説しました。

目次
PDCAとは?
 ・Plan:計画
 ・Do:実行
 ・Check:評価
 ・Action:改善
PDCAは古いのか?PDCAが古いと言われる理由とは

PDCAとは?

PDCAとは以下の頭文字を取った略語です。

・ Plan:計画
・ Do:実行
・ Check:評価
・ Action:改善

業務内容の改善や効率化を行い、生産性向上を図るためのフレームワークです。
「P→D→C→A」の順に作業と検証を行い、「A」まで工程が終了したらまた「P」に戻ります。
このサイクルを「PDCAサイクル」といい、長期にわたって繰り返していきます。

Plan:計画

「Plan」はその業務における計画立案の段階です。目標を設定し、その目標を達成するためのアクションプランを作成していきます。

PDCAサイクルのスタート地点となる「Plan」は、その後の「DCA」サイクルに影響を与える重要なファクターです。

ここをしっかりと策定しなければ、その後のサイクルの効果が発揮されづらくなり、徒労に終わる可能性もあります。

そうならないために、5W1Hなどのフレームワークを意識し、KGIやKPIの設定、期日を定めることが重要になります。

Do:実行

「Do」では「Plan」で立案したアクションプランを実行に移していきます。確実にアクションを実行するためのToDoリストの作成、作業の細分化を行います。

このファクターにおけるアクションの確実性が、後のKGIやKPIの値に大きく影響していきます。
しかしながらKGIやKPIを達成できるか否かは結果論であり、従業員がコントロールできるのもではありません。

一方アクションプランの実行は自社でコントロールできる部分であり、「Do」における実効性が、その後目標値達成の成否を分けるといっても過言ではありません。

Check:評価

「Check」では現時点において、アクションプランがしっかりと実行されていたかを振り返り、どの程度まで目標値に近づけているか、あるいは達成できているかを評価します。

同時に目標値に近づけていなかったり、達成できていなかったりした場合は、なぜ目標値に近づけていないのか、達成できていないのか、その要因を検証していきます。

「Check」では達成できなかった場合の要因にスポットが当たることが多いのですが、逆に達成できた場合の要因についても評価することで、新たな解決策が見つかる可能性もあります。

Action:改善

「Action」では「Check」での評価に基づき、改善を試みていきます。
目標値に近づけている、達成できていると判断できれば、新たに見つけた改善点を取り入れつつ、引き続きそれまでのPDCAサイクルを維持していきます。

評価が芳しくない場合は改善案の模索や洗い出しを行い、改善を試みていきます。
もし改善が見込めないようであれば、現在回しているPDCAサイクルを思い切って一旦白紙に戻し一から見直すか、もしくは計画そのものを中止するか、などの検討を行います。

PDCAは古いのか?PDCAが古いと言われる理由とは

PDCAサイクルの手法は1950年代にアメリカの統計学者であるウィリアム・エドワーズ・デミング博士とウォルター・アンドルー・シューハート博士により提唱されました。

提唱者はアメリカ人ですが、実際にPDCAサイクルが積極的に取り入れられたの日本の企業でした。特に製造業においてはこのPDCAサイクルがうまく機能し、多くの企業で導入されています。

PDCAサイクルの手法が多くの製造業で取り入れられ、まさにPDCAサイクル全盛期とも言えた時代が戦後の日本です。

戦後の日本における製造業は世界をリードし、その高い品質とブランド力で戦後の日本を立て直してきました。

当時はインターネットが普及しておらず、時間をかけて半年から1年単位で行うPDCAサイクルがうまく噛み合っていたのです。

しかしインターネットが普及しはじめ、時代背景の変化やものごとの移り変わりがはやくなるにしたがって、PDCAのゆっくりとしたサイクルが次第に現在のスピード時代にそぐわなくなってきました。

このような背景から「PDCAサイクルは古い」と言われるようになったのです。加えて、「PDR」「OODA」といったPDCAに代わる即効性の高いフレームワークが台頭してきたことも、PDCAが古いと言われる要因のひとつとなっています。