鈴木雅選手がトレーニングをディープに、細かく紐解いていくこの企画。今回は三角筋の後篇です。三角筋側部の種目の続きと後部の種目、そして僧帽筋の種目であるシュラッグとの組み合わせ方についても解説します。ほんの少しのフォームの違いで効き具合が格段に良くなります。カッコいい肩を作りたい方は必読です。

取材・文:藤本かずまさ 撮影:北岡一浩

ワンハンド種目は効かせやすい

広背筋・大円筋のトレーニングと同じように、ワンハンドとツーハンズとでは動作の際の支点の位置が違ってきます。例えば買い物袋を両手に持ち、だらんと腕を下げると支点は体の中心にきます。この状態でレイズ系の動作を行うと、三角筋よりも僧帽筋に効きやすくなります。しかし、両肩を外側に張り出すようにして構え、その状態で買い物袋を持つと、三角筋に負荷が乗るはずです。

ワンハンドで行うと、支点が肩にくるため、その「三角筋に負荷が乗る」状態を簡単につくりだすことができます。これはリアも同じです。なで肩で三角筋の発達に悩んでいる人は、ワンハンド種目を活用してみてください。

レップ数、インターバルについて

「三角筋は軽い重量で反応しやすい」とよく言われます。三角筋の側部は半羽状筋(腱の片側に筋線維が斜めに集まっている筋肉)で、確かにハイレップスで反応しやすいという特徴を持っています。また、軽い重量の方が動作のコントロールもしやすいです。しかし、10回ほどのミドルレップスでもしっかりと発達させることはできると考えられます。

重要なのは、負荷をしっかりと受け止めるということです。レップスの目安は、紡錘状筋(筋線維が直線的に並んでいる筋肉)の前部と後部は6回から12回。ただし、しっかりとコントロールできる重量で行うことです。軽すぎるのも問題ですが、重すぎる重量で行うのは得策ではありません。10回がギリギリできるくらいの重量がいいでしょう。

側部は、重さにも量(レップ数)にも反応します。大腿四頭筋を追い込むと、焼けつくような痛みが走りますが、これは羽状筋の特徴です。その「痛みを感じるくらいのレップ数」も、一つの目安にはなるかと思います。最初から重い重量で行うと三角筋以外の筋肉も使ってしまうので、まずは軽い重量で始めて、2セット目から重量をアップさせるのも一つの手です。サイドレイズが苦手という人は、動作に慣れるためにまず軽い重量で側部にヒットさせるのもいいでしょう。