目次
3. 金刀比羅宮へと続く表参道の見どころ
4. 金刀比羅宮の見どころ

3. 金刀比羅宮へと続く表参道の見どころ

【香川県】金刀比羅宮の参道~本宮~奥社の見どころ・ご利益・アクセス方法・お土産情報などを徹底取材
(画像=『たびこふれ』より引用)

金刀比羅宮へと続く、表参道の見どころについて紹介していきます。表参道の至る所に上記のような看板が立っているので、確認しながら進むとよいでしょう。

3.1 785段+583段=1,368段の石段

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(画像=『たびこふれ』より引用)

金刀比羅宮の表参道の入口から本殿までは、だいたい徒歩で30分、標高差は170mほどあります。この標高差を埋めるために設置されているのが、表参道から本宮まで785段、本宮から奥社まで583段、計1,368段にもおよぶ石段です。

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(画像=『たびこふれ』より引用)

石段一段あたりはさほど高くなく、約17cm前後です。上記写真はボールペンの長さと比較してみたものです。

一部、17cmよりも数センチ高い石段があるものの、600段を過ぎるまでは勾配もゆるやかなので、登るのにそれほど苦労しないはずです。

ただ、本殿手前の「御前四段坂(ごぜんよんだんざか)」など、段差がキツくなる場所もあるので、歩きやすい格好で石段に挑みましょう。

また、山の上なので、体温調整ができる衣服を準備しておくことも大切です。標高が高くなると冷えるだけでなく、石段を登ることで、暑くなってしまうこともあります。

3.2 多種多様な土産店と飲食店

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(画像=『たびこふれ』より引用)

商売の神様でもある金刀比羅宮だけに、表参道から鳥居に至るまで間、おどろくほど多くのお店が並んでいます。

昭和から続く土産店から、流行りのタピオカドリンク店、スパイシーな鶏料理店、名物「あんもち雑煮」を味わえるお店など、そのラインナップは実に多種多様です。

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(画像=『たびこふれ』より引用)

こちらは香川県の名物「讃岐うどん」の打ち方を教えてくれる、中野うどん学校です(要予約)。

中野うどん学校(ナカノヤ琴平)の基本情報

  • 住所:香川県仲多度郡琴平町796番地
  • 営業時間:8:30~18:00
  • 定休日:年中無休
  • 電話番号:0877-75-0001
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(画像=『たびこふれ』より引用)

いくつかのお土産物屋さんでは、杖を借りることができます(1日100円)。実は、石段でつらいのは下りだといわれています。これは、下るときに体重が膝にかかるためです。

登りの時点で杖を借り、膝への負担をはじめからかけないようにしておきましょう。

また、参道の途中には無料の足湯場「こんぴら温泉足湯」(営業時間:9:00〜18:00)があり、石段の疲れを癒すのでぜひ利用しましょう。

3.3 備前焼狛犬

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(画像=『たびこふれ』より引用)

<石段 113段目付近にある瀬戸物で作られた狛犬>

神社などでよく見かける狛犬(こまいぬ)は、石を彫ったものが一般的ですが、金刀比羅宮の一の鳥居横にあるこの茶色の狛犬は、焼き物(瀬戸物)でできています。

1844年(天保15年)に岡山から寄進されたこの狛犬の高さは5尺(約1.5m)。焼き物の有名ブランド「備前焼」の中でも全国有数の大きさを誇り、重要文化財に指定されています。

ちなみに後ほど説明しますが、金刀比羅宮は動物、特に犬と密接な関わりがあり、500段ほど先には「こんぴら狗(いぬ)」の像があります。ぜひ、両像を比べてみましょう。

3.4 灯明堂(とうみょうどう)

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(画像=『たびこふれ』より引用)

<石段 168段目付近にある灯明堂>

一の鳥居からしばらく続くゆるい勾配「一ノ坂」に寄り添うように、重要有形民俗文化財の「灯明堂」(写真左側)は建てられています。

表参道の傾斜に沿っためずらしい構造のお堂は、備後国因之島(現在の広島県尾道市因島)より寄進されました。

造船の拠点として知られる因島から寄進されただけあって、竜骨状の船底(底を細くし、水の抵抗を少なくした構造)を作る技術を応用して建設されたそうです。

3.5 琴陵宥常銅像(ことおかひろつね)

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(画像=『たびこふれ』より引用)

<石段 288段目付にある琴陵宥常大人命の銅像>

こちらは明治時代に金刀比羅宮の宮司を勤めた琴陵宥常大人命(ことおかひろつねうしのみこと)の銅像。海の守り神でもある金刀比羅宮の宮司として、水難事故の救済するために、「青い羽根募金」活動を行う「日本水難救済会」を設立したことで知られています。

琴平町内には売り上げの一部を青い羽根募金に充てる自動販売機もあるそうです。

3.6 青銅大燈籠

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(画像=『たびこふれ』より引用)

<石段 351段目近辺にある青銅大燈籠>

参道右側に見えてくる灯篭は、お寺の鐘などによく用いられる青銅(銅と錫の合金)でできています。山形県から寄進されたこの灯篭は、ここ金刀比羅宮と宮城県の金華山にしかなく、重要有形民俗文化財にも指定されています。

石の灯篭には見られない精密に彫られた龍の絵柄など、青銅だからこそできる工夫が施されています。近くで見ると独特の青い艶があり、雨や朝露に濡れた時の輝きはとても美しいです。

4. 金刀比羅宮の見どころ

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(画像=『たびこふれ』より引用)

灯篭の先の鳥居をくぐると、いよいよ「神域」と呼ばれる金刀比羅宮の境内です。本殿までの785段の石段は、残り約400段、しっかりと踏みしめていきましょう。

4.1 大門

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(画像=『たびこふれ』より引用)

<石段365段目近辺にあるこの大門は、松平頼重(1622~1695年)によって寄進>

「黄門様」こと水戸藩主・徳川光圀公の兄でもある松平頼重は、常陸下館藩からの国替え(大名の転勤のようなもの)で1642年(寛永19年)に讃岐に入り、高松藩主となります。当時の高松藩は、前任の大名がお家騒動で追放された直後ということもあり、かなり難しい局面で藩主をバトンタッチされた、といってもいいでしょう。

この難しい局面を打開するために、松平頼重は金刀比羅宮(当時は「金毘羅大権現」)を篤く信仰し、この立派な大門をはじめ、狩野永徳の襖絵を寄進しました。すると金刀比羅宮のご加護もあってか高松松平家はその後、明治維新まで安泰を保つことができました。

4.2 五人百姓

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(画像=『たびこふれ』より引用)

大門をくぐると、まっすぐ伸びた表参道脇に何軒かの小さな屋台があります。本来ならば大門の内側での商売は禁止ですが、「五人百姓」と呼ばれる5軒の屋台は特別です。

鎌倉時代から金刀比羅宮の神事に協力していたこともあり、「神域(境内)での商売」を許されており、ここでしか買うことができない「加美代飴」(かみよあめ)を販売しています。

ワイワイとかしましく、「寄って行きまぁ!」(「寄って行ってください」の意)と柔らかい讃岐弁で声をかけられ、飴を購入することにしました。

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(画像=『たびこふれ』より引用)

石段登りで疲れて、すぐに糖分補給したいのは山々ですが、お楽しみは帰ってから。この飴はみんなで集まってから開封したほうが、楽しくいただけます。

加美代飴の形は扇型で、横幅15cmほど。付属の小さなハンマーで「パリン!」と割って、「こっちが大きい!」「いやこっち!」などわいわい言いながらシェアしていただくのが楽しい一品です(割る際、結構大きい音が鳴るので注意してください)。

「割ってシェア」する楽しさと、ほんのり柚子の味がするシンプルなおいしさで人気のこの飴は、江戸時代には「こんぴら参りにまた飴か」と言われるほどの定番土産(現代でいう「ハワイ土産にまたマカデミアナッツか」みたいなものでしょうか)。値段は5軒とも共通で、5枚入り500円、11枚入り1,000円、17枚入り1,500円となっています。

4.3 桜馬場

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(画像=『たびこふれ』より引用)

<画像提供:金刀比羅宮>

金刀比羅宮の大門をくぐり「桜馬場」と呼ばれるやや平坦な道にさしかかると、山の切れ目から涼しい風が吹き寄せてきます。次の石段まで足を休めながら、ゆっくりと登っていきましょう。

金刀比羅宮の境内は自然が豊かで、大門から次の鳥居まで続くこの桜馬場には約3,500本の桜が植えられていて、春には散策しながらお花見が楽しめます。また、この先には紅葉の名所もあります。

4.4 桜馬場西詰銅鳥居

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(画像=『たびこふれ』より引用)

<石段431段目付近にある桜馬場西詰銅鳥居>

桜馬場の西側にある銅でできた立派な鳥居は、どっしりとした風格を漂わせています。この鳥居は、高灯篭の横にあったものを力自慢の力士たちが移設したという言い伝えがありますが、比重で言えば鉄より重い銅の鳥居、どうやって持ち上げたのでしょうか......?

4.5 こんぴら狗の銅像

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(画像=『たびこふれ』より引用)

勇壮で巨大銅の鳥居の右手前には、舌を出したワンちゃんの銅像が。これは、金刀比羅宮独特の参拝のスタイルを今に伝えるものなのです。

「一生に一度」とまで言われた、憧れのこんぴら参りに行けなかった人々は、首に初穂料やエサ代をくくりつけた飼い犬を、お参りに行く人々に預けたそうです。そして、飼い主に変わって表参道を歩く「こんぴら狗」(こんぴらいぬ)の姿を今に伝えるのが、この「こんぴら狗の像」。漫画雑誌「ガロ」のイラストなどでも知られているイラストレーターの湯村輝彦さんがデザインを手がけています。

銅像の頭を撫でるとひんやりと気持ち良く、ちょっとスッキリするというか、疲れが取れていくように感じます。

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(画像=『たびこふれ』より引用)

<ペット同伴の際の注意点が書かれた看板>

ちなみに、金刀比羅宮は、昔から「こんぴら狗」の代理参りが行われていたという経緯もあり、ペットを同伴しての参拝がOKというめずらしい神社でもあります。ただし、ペットの糞尿の始末はきちんとしましょうね。

4.6 宝物館

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(画像=『たびこふれ』より引用)

堂々とした造りの山門を眺めた後は、神社の境内に佇む和洋折衷の建物も見ていきましょう。

香川県内でももっとも古い洋風建築となる上記写真の「宝物館」は、京都大学の「吉田寮」の設計などでも知られる当時の文部省技師の久留正道(くるまさみち)によって設計され、1905年(明治38年)に建てられました。洋風の建物に銅葺きの玄関、瓦葺きの屋根と、独特のセンスが発揮されています。

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(画像=『たびこふれ』より引用)

<画像提供:金刀比羅宮>

この宝物殿では、かつて山門にあった重要文化財の「十一面観音立像」や、高松藩主・松平頼重公によって寄進された「三十六歌仙額」などを見ることができます。

宝物館の基本情報

  • 住所:香川県仲多度郡琴平町892-1
  • 営業時間:8:30~17:00
  • 定休日: 無休 (企画展などのため予告なく休館することがあります)
  • 電話番号:0877-75-2121(金刀比羅宮)
  • 入館料:一般800円、高校生・大学生400円、中学生以下無料

4.7 高橋由一館

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(画像=『たびこふれ』より引用)

金刀比羅宮の「高橋由一館」には、「日本最初の洋画家」として知られる高橋由一(1828~1894年)の油絵が展示されています。 江戸時代末期から幅広く活動した高橋由一は、1879年(明治12年)に開かれた琴平山博覧会に27点の作品を出展し、後にその作品を金刀比羅宮に奉納したのです。

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(画像=『たびこふれ』より引用)

<高橋由一「浅草遠望」(1878年)/画像提供:金刀比羅宮>

日本絵画史上最大の画派である狩野派で学んだ高橋由一が描いた、和のエッセンスが入り混じる西洋画をぜひとも鑑賞しましょう。

高橋由一館の基本情報

  • 住所:香川県仲多度郡琴平町
  • 営業時間:8:30~17:00
  • 定休日:無休 (企画展などのため予告なく休館することがあります)
  • 電話番号:0877-75-2121(金刀比羅宮)
  • 入館料:一般800円、高校生・大学生400円、中学生以下無料

4.8 表書院

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(画像=『たびこふれ』より引用)

<写真提供:金刀比羅宮>

1658~1660年頃に建築されたと伝えられている表書院(写真正面奥の建物)は、もともと金刀比羅宮を訪れた要人の応接の場として使用されていました。建物の内部には江戸時代中期の絵師、円山応挙(まるやまおうきょ/1733~1795年)の横幅五間(約9m)にも及ぶ障壁画があり、表書院の建築とともに重要文化財に指定されています。

ほかにも明治の画家・邨田丹陵(むらたたんりょう/1872~1940年)の障壁画もあり、金刀比羅宮では「高橋由一館」の洋画だけでなく、日本絵画も堪能することができるのです。

表書院の基本情報

  • 住所:香川県仲多度郡琴平町
  • 営業時間:8:30~17:00
  • 定休日: 無休 (企画展などのため予告なく休館することがあります)
  • 入館料:一般800円、高校生・大学生400円、中学生以下無料
  • 電話番号:0877-75-2121(金刀比羅宮)

4.9 賢木門

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(画像=『たびこふれ』より引用)

<石段642段目付近にある賢木門>

賢木門(さかきもん)は、戦国時代の武将・長曾我部元親(ちょうそかべもとちか)によって、たった1日で寄進されたというエピソードが残っています。

後に四国を統一した元親ですが、讃岐に侵攻する際に、誤ってこの山の境内を攻めてしまったそうです。誤りに気がついた元親は材木を調達し、1日で四本柱の山門を組み上げて寄進した......までは良かったのですが、木の1本が逆さに組み上がっていたことから「逆木門」と呼ばれるようになり、後に「逆」という字の代わりに「賢」という字を当てられて今に至ります。

逆さに組まれた木は修復の際に外されていますが、当時逆さに組まれたという材木は宝物館で見ることができます。

4.10 御本宮拝殿

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(画像=『たびこふれ』より引用)

はるか向こう(写真上部)に本宮が見えてきましたが、ここで最大の難所、御前四段坂に差し掛かります。785段の石段のうち最後の133段となるこの階段は、かなりの急勾配で、やすやすと本宮への到達を許してくれません。

両脇には手すりもあるので、なんとか踏ん張って133歩、足を進めましょう。

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(画像=『たびこふれ』より引用)

<石段785段目付近にある本宮>

表参道の入り口から石段を登ること785段、ついに金刀比羅宮の本宮に到着しました。

正面や内部を写真で撮ることはできませんでしたが、社殿はとても美しかったです。

格子状の桜の花を描いた天井画、まっすぐの角材だけで作られた拝殿、空に張り出すような檜皮の屋根......。

また、短時間で400mも標高が上がった場所に移動したからか、本宮エリアの空気はとてもおいしかったです! 石段登りの疲れと日頃のストレスが、山を渡る風で流されていくようでした。

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(画像=『たびこふれ』より引用)

本宮の横にどっしりと生えるクスノキの大木は、幹の太さが4.7m、高さは25m!登り疲れて火照った体を、神木の日陰でクールダウンしながら一息つきましょう。

4.11 三穂津姫社

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(画像=『たびこふれ』より引用)

本殿から50mほど離れた三穂津姫社で祀られているのは、本宮のご祭神である大物主神の后(きさき)、三穂津姫(みほつひめ)です。縁結びや夫婦仲などにご利益があるとされているので、お帰りにお守りをどうぞ。

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(画像=『たびこふれ』より引用)

三穂津姫の夫である大物主神が祀られている本宮(写真右側)からは長い回廊が伸び、三穂津姫社との間をしっかりと結んでいます。

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(画像=『たびこふれ』より引用)

こちらは三穂津姫社の前にある、愛らしい「こんぴら狗の開運みくじ」(初穂料100円)です。おみくじには小さな犬のお守りがついていて、お財布に入れれば「願いを叶え、幸せをもたらしてくれる」そうですよ。

4.12 絵馬殿の絵馬

普通の神社の絵馬掛けを想像して行くと、金刀比羅宮の絵馬殿の豪華さにおどろかされるかもしれません。

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(画像=『たびこふれ』より引用)

迫力満点の絵馬堂内で保管されているのは、1962年(昭和37)に冒険家・堀江謙一さんが太平洋を横断した際に使われたヨット「マーメイド号」です。

兵庫県西宮市からアメリカ・サンフランシスコまで、このマーメイド号に水20l、米40kg、缶詰200個を積み、3ヶ月で約7,000kmを航海したエピソードは著書『太平洋ひとりぼっち』にまとめられ、当時ベストセラーとなりました。

読書感想文の題材として読まれた方も多いのではないでしょうか。

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(画像=『たびこふれ』より引用)

この絵馬殿では、こんぴら参りに使われた「流し樽」を見ることもできます。

こんぴら参りに行けなかった瀬戸内海沿岸の人々は、いくばくかのお金とお供えを樽に入れて、海に流しました。拾われた樽は、漁師や金刀比羅宮に向かう人々に託され、送り主に代わってこんぴら参りを果たす、という参拝方法が長きにわたって機能したのです。

犬に頼んだり、樽を流したり、旅慣れた人に頼んだりするなど「代参(だいさん ※代わりに参拝してもらう)」が盛んだったのもこんぴら参りの特徴です。

4.13 展望台

【香川県】金刀比羅宮の参道~本宮~奥社の見どころ・ご利益・アクセス方法・お土産情報などを徹底取材
(画像=『たびこふれ』より引用)

本宮の前にある展望台からは、眼下いっぱいに広がる讃岐平野や瀬戸内海を見下ろすことができます。天気が良ければ、瀬戸大橋や岡山県まで見渡せますよ。

4.14 旭社

【香川県】金刀比羅宮の参道~本宮~奥社の見どころ・ご利益・アクセス方法・お土産情報などを徹底取材
(画像=『たびこふれ』より引用)

本宮や展望台を堪能したら、最後の「旭社」を目指しましょう。往路とは異なる道が設定されています。ゆっくり降りていきましょう。

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(画像=『たびこふれ』より引用)

<石段628段目付近にある旭社>

上記写真が金刀比羅宮の中で最大の建築物「旭社(あさひしゃ)」です。その高さは何と18m!

三層ともすべてケヤキ材となり、すべてが他を圧倒する威容を誇ります。彫り込まれた甍(いらか)や文様も圧巻。完成までにおおよそ30年を要したというのも納得です。

表参道で本宮を目指しているときに旭社の大きな建物が目に入りますが、お参りするのは本宮の後となっていますので、帰りに本宮から階段で降りて参拝しましょう。

旭社のあまりの立派さに「ここが本宮だ!」と勘違いして、お参りして帰る人がいるそうです。普通は間違わないだろう......と思いきや、江戸時代の有名人「森の石松」でさえも勘違いしたと伝えられています。

親分の「清水次郎長(しみずのじろちょう)」に変わって刀を奉納するためにはるばる江戸から来たのに、本宮を目の前にして満足げに引き返し、後から気づいて悔しがるというくだりは、石松のちょっとトボけたエピソードとして今も語り継がれています。

【香川県】金刀比羅宮の参道~本宮~奥社の見どころ・ご利益・アクセス方法・お土産情報などを徹底取材
(画像=『たびこふれ』より引用)

そして、ここでは参拝だけでなく「運試し」をすることもできます。旭社の手前にある上記写真の水がめの水面に1円玉を浮かすことができれば、願い事が叶う、と言われているのです。

「簡単じゃないか!」と思われるかもしれませんが、よほどバランスをとって入れないと、重さ1グラムの硬貨は水がめの底に沈んでしまいます。筆者は12円を費やして、何とか成功しました。