♪こんぴらふねふね、追手に帆掛けてしゅらしゅしゅしゅ♪

お座敷遊びの唄として知られる民謡「こんらふねふね」。この歌は、香川県仲多度(なかたど)郡琴平町にあり、象頭山(ぞうずさん)の中腹に広がる「金刀比羅宮」(ことひらぐう)へ向かう参拝客の様子を歌ったものです。

金刀比羅宮は「こんぴらさん」の愛称でその名を知られ、金刀比羅宮への参拝は、通称「こんぴら参り」と呼ばれており、船で四国に渡った後に、1,368段にも及ぶとても長い石段を登って参拝します。

なぜ多くの人々は、辛く長い石段を登ってまで金刀比羅宮を参拝したのでしょうか?

それは、金刀比羅宮を参拝するとさまざまなご利益を受けることができるからです。

このため、「こんぴら参り」は、江戸時代に、三重県にある伊勢神宮へと詣る「お伊勢参り」、富士山へと詣る「富士講」と並んで「一生に一度はこんぴら参り」と言われるほどの人気を集めました。そして、その人気はいまなお衰えることをしりません。

今回はそんな魅力的な観光スポット・金刀比羅宮を徹底取材しました。

目次
1. 金刀比羅宮(こんぴらさん)のご由緒・歴史・御祭神・ご神徳
2. 金刀比羅宮へのアクセス

1. 金刀比羅宮(こんぴらさん)のご由緒・歴史・御祭神・ご神徳

【香川県】金刀比羅宮の参道~本宮~奥社の見どころ・ご利益・アクセス方法・お土産情報などを徹底取材
(画像=『たびこふれ』より引用)

金刀比羅宮にはどのような歴史があるのでしょうか。そのご由緒、御祭神、ご神徳について迫ります。

1.1 金刀比羅宮のご由緒・歴史

金刀比羅宮の由緒は諸説あり、中世以降に建てられたという説が有力ですが、江戸時代の書物には「この山の鎮座已(すで)に三千年に向(ちか)づく(この神社は3000年近くこの場所にある)」との記述もあります。

確かに言えることは、1868年(明治元年)に「金毘羅大権現」から「金刀比羅宮」と改称したことです。

また、「金刀比羅宮」「琴平神社」と呼ばれる神社は、全国に約600社ほど存在しており、東京都の虎ノ門や大阪府の寝屋川市にもあります。

今回ご紹介する香川県の金刀比羅宮は、これら全国の金刀比羅宮の総本山となります。

1.2 金刀比羅宮の御祭神

金刀比羅宮の御祭神はふたつあり、「大物主命(おおものぬしのみこと)」と「崇徳天皇(すとくてんのう)」が祀られています。

大物主命は、出雲大社のご祭神としても知られる大国主命(おおくにぬしのみこと)の和魂(にぎたま ※神様にはふたつの魂があり、穏やかな和魂と勇猛な荒魂がある)で、国を平和に収める役割を持ちます。

崇徳天皇(1119~1164年 ※平安時代末期の天皇)は、1163年にこの場所に参籠(参拝)した記録が残っており、亡き後も四国の守護(各国の警備、治安維持を担う役職)である細川頼之が、崇徳天皇の菩提をここで弔っています。

1.3 金刀比羅宮のご神徳

【香川県】金刀比羅宮の参道~本宮~奥社の見どころ・ご利益・アクセス方法・お土産情報などを徹底取材
(画像=『たびこふれ』より引用)

御祭神である大物主神は、大国主命 と出会う際に「海から現れた」と言われており、金刀比羅宮は古くから海の神様、航海の神様として知られています。

金刀比羅宮がある象頭山は瀬戸内海からよく見えることもあり、瀬戸内海を航行する船乗りたちは象頭山に航海の安全を祈り、信仰を欠かさなかったそうです。

上記写真は瀬戸大橋の途中にある「与島パーキングエリア」の展望台から撮影したものですが、左端に象頭山が写っています。

また、大物主命が「和魂」でもあることから、生活を豊かにする農業や殖産、医薬などのご神徳もあるとされ、古くから「庶民の神様」としても知られています。

加えて境内の社ではさまざまな神様が祀られていて、芸術、学問などのご神徳もあります(学問の神様・菅原道真を祀った神社も)。

2. 金刀比羅宮へのアクセス

金刀比羅宮に向かう交通手段は、電車、飛行機など選択肢が豊富にあります。それぞれのアクセス方法を紹介していきましょう。

2.1 電車でのアクセス方法

金刀比羅宮の門前町である仲多度郡琴平町は人口約1万人の小さな街ですが、JR土讃線、高松琴平電鉄という2本の鉄道の停車駅があります。

新幹線の岡山駅から乗り継ぐ際はJR土讃線の「琴平駅」へ向かいましょう。

岡山駅〜琴平駅間は特急「しまんと」の高知方面行きに乗れば、60分ほどの所要時間でJR琴平駅に到着し(岡山~琴平間は普通運賃1,330円+特急自由席運賃1,180円)、JR琴平駅からは徒歩20分ほどで金刀比羅宮へと続く表参道の入り口に到着します。

岡山までは東京から約3時間20分、大阪から約50分で到着するので、関西から向かう方は日帰りでも十分お参りを楽しめそうですね。

高松の市街地を通って金刀比羅宮へと向かうのであれば「ことでん」こと高松琴平電鉄の「琴電琴平駅」を利用しましょう。市街地を楽しみながら、徒歩15分で表参道の入口へ到着することができます。

【香川県】金刀比羅宮の参道~本宮~奥社の見どころ・ご利益・アクセス方法・お土産情報などを徹底取材
(画像=『たびこふれ』より引用)

上記は高松琴平電鉄の車両です。昔から首都圏にお住いの方は何か気づきませんか?

上記写真左側は元・京浜急行電鉄(京急)、右側は京王電鉄(京王)井の頭線で長らく活躍した車両なのです。東京を走っていた名車両が、中身をほぼ変えることなく讃岐の地で走り続けていると思うと感慨深いですね。この車両を見るために香川県を訪れる鉄道ファンも多いそうです。

2.2 飛行機~バスでのアクセス方法

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(画像=『たびこふれ』より引用)

また、高松空港からであれば、琴平町内まで琴空(きんくう)バス・高松空港線が運行しています(1日平日6便、土日祝日7便、2020年2月現在)。

高松空港からバスに乗って約50分で着く「こんぴら表参道口」というバス停で下車すれば、表参道はすぐ目の前です(高松空港~琴平町内の運賃は1,500円)。

ただし、表参道は一方通行となっているため、金刀比羅宮から高松空港方面へと帰る際は、表参道入口から徒歩12分ほど離れた「大宮橋」というバス停から乗車する必要があります。

2.3 車でのアクセス方法

車で来られる方は、四国横断自動車道・善通寺ICで降りたあと国道319号線(金比羅街道)を「琴平・阿波池田・高知」方面へ進み、信号「琴平町榎井」で右折すれば、琴平町内に到着します。善通寺ICからの所要時間は15分ほどです。

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(画像=『たびこふれ』より引用)

金刀比羅宮に駐車場はありませんが、石段の入り口や表参道の入口の道路沿いには、上記写真左手のように民間の駐車場があります。