コルチゾールをコントロールする

ストレスがかかるとコルチゾールの分泌は増加する。逆に言えば、ストレスをコントロールできれば、コルチゾールのコントロールも可能ということなのだ。そのためにも以下の事柄をぜひ参考にしてほしい。

コーヒーの代わりに紅茶

筋トレは45分以内が効果的!ストレスホルモン「コルチゾール」との付き合い方
(画像=『FITNESS LOVE』より 引用)

多くの人が、ストレス緩和やリラックスという目的でコーヒーを飲んでいる。しかし、次のような事実もあるので覚えておくといいだろう。

研究によると、コーヒーをわずか2杯飲むだけでもコルチゾールは増加するそうだ。コルチゾールを少しでも抑制したいという人は、コーヒーを一日に1杯に制限したり、ハーブティ-など他の飲み物に切り替えたほうがいいかもしれない。

ロンドンの大学では、75人の被験者が6週間にわたって毎日4杯の紅茶を飲み、50分間の高強度運動を行うという実験が行われた。

その結果、被験者のコルチゾールレベルは47%減少したそうだ。ちなみに、比較対象としてプラシーボ飲料を同条件で飲んだグループでは27%の減少が見られた。

この実験は、紅茶がストレス緩和に役立ったことを示している。しかし、紅茶にもカフェインは含まれているわけで、これはどのように解釈すればいいのだろうか。

どうやら、コルチゾールの分泌を左右しているのはカフェインではないようだ。実際、カフェインの錠剤(カフェインサプリメント)を摂取しても、コルチゾールレベルが高まることはなかったのである。

ではなぜコーヒーはコルチゾールの分泌を促すのか。理由はコーヒーに含まれるカフェイン以外の化学物質に原因がありそうだ。いずれにしても、コーヒーを飲むなら量を減らし、代わりにハーブティーや紅茶を飲むようにすれば、コルチゾールのコントロールに役立つのではないだろうか。

その他のアクティビティ

筋トレは45分以内が効果的!ストレスホルモン「コルチゾール」との付き合い方
(画像=『FITNESS LOVE』より 引用)

以下のアクティビティもおすすめだ。いずれもストレス緩和に役立ち、コルチゾールコントロールにつながるはずだ。
●セックス
●メディテーション(瞑想)
●ヨガ
●ブリージング(呼吸法を使った呼吸)
●音楽を聴く


食事

筋トレは45分以内が効果的!ストレスホルモン「コルチゾール」との付き合い方
(画像=『FITNESS LOVE』より 引用)

血糖値の低下はストレスになる。だから血糖値が低下するとコルチゾールが分泌され、それによって筋肉の異化分解が進み、糖新生を経て糖が血液中に放出される。そのため、できるだけ血糖値を下げないような食事を心がけたい。
血糖値を下げないためには、炭水化物を適度に食べることが必要だ。ただ、減量中は炭水化物の摂取を制限するわけで、どちらを選択するかはその人次第である。
つまり、血糖値の低下でコルチゾールが高値になっても炭水化物は制限するか、もしくはコルチゾールを高値にしないために炭水化物を適度に食べるか。
目的によってその選択は変わってくるはずなので、個人の判断に委ねるしかないだろう。
いくつかアドバイスするなら、朝はコルチゾールレベルが高いので、朝食では炭水化物を多めに食べるのが良さそうだ。また、ワークアウト直後もコルチゾールレベルは高まっているので、このタイミングで炭水化物を含むタンパク質を食べるのもいいだろう。


サプリメント

コルチゾールのコントロールにサプリメントを活用するなら、以下の成分を含む商品を試してみよう。
●ビタミンD:コルチゾールがノルアドレナリンをアドレナリンに変換する際の作用力を弱める働きがビタミンDにはあるため、アドレナリンによる作用の緩和が期待できる。
また、ビタミンDには疲労感を軽減する作用もあるので、ストレスが大きいと感じる人は積極的に利用するといいだろう。
●マグネシウム:ワークアウト後に摂取することで、身体を落ち着かせるのに役立つ。
●グルタミン:グルタミンにはコルチゾールのレベルを抑制し、異化分解作用を軽減する働きがあることがこれまでの研究で示されている。
●ロジオラ(ハーブ):ロジオラは、コルチゾールレベルを低下させる働きがあるとされるハーブだ。サプリメント商品も多く出回っているので、興味がある人は試してみるといいだろう。
●ニンニク:ニンニクにはコルチゾールを抑制し、テストステロンを高める効果があることが複数の研究で確認されている。
料理でニンニクを使うのもいいが、手っ取り早く摂取するならニンニクのサプリメントを利用するのがいい。サプリメントなら臭いを気にすることなく、しかも毎日定期的に摂取できる。
●ビタミンC:コルチゾールを抑制し、テストステロンを高めるならビタミンCは欠かさず摂取したい。研究では、ビタミンCを十分に摂っていると、体内テストステロンが20%も増加することが示されている。
ビタミンCの身体への働きはコルチゾールの抑制だけにとどまらず、数え切れないほどたくさんある。そのようなメリットを見越して、たとえ過剰に摂ったとしても、ビタミンCは水溶性なので尿中に排せつされる。体内にとどまって毒性を発揮するような心配はない。
●クロミウム:クロミウムには三拍子がそろっていて、血糖値のバランス調整、コルチゾールの高値抑制、体重減少などに役立つとされている。さらにコレステロール値を下げるのにも役立つことが研究で示されている。
●イチョウ葉エキス:中国では漢方薬として古くから用いられてきたイチョウ葉エキスだが、血圧の上昇やコルチゾールの分泌を抑制する働きがあることが多くの研究で示されている。

睡眠

コルチゾールのレベルを下げるために良質の睡眠を十分に取りたい。

GABA(γ-アミノ酪酸)は、睡眠の質を上げるのに役立つ成分とされている。日ごろから眠りが浅く感じる人は、GABAのサプリメントを利用してみるのもひとつの方法だろう。深いレム睡眠が得られるようになり、体内時計を正常にリセットすることが期待できる。

ストレス管理

ストレスフリーの生活を送ることなど、現代社会では不可能かもしれない。それでも、できるだけストレスを溜めず、コルチゾールを極端に高めないようにするための努力はできるはずだ。

様々な要因で気持ちが落ち込んでしまう気うつの状態はコルチゾールを高める。そんなときは瞑想やヨガなどを積極的に行って身体にかかるストレスを緩和し、少しでも気持ちが明るくなるように心がけてみよう。

結論

私たちは筋肉づくりを第一に考えているが、それでも、コルチゾールが敵かどうかを問うことはあまり意味がないような気がする。

そもそも、生体にとって常に有害なものなら最初から備わっていないわけで、ここで解説したコルチゾールの大切な役割を考えれば、完全に、人工的に排除することはしてはならないのだ。

確かにコルチゾールが高値なら筋発達にはマイナスかもしれないが、コルチゾールの役割を理解し、コントロールの仕方がわかれば、必要以上に恐れることはないのである。

ワークアウトを見直し、食事やサプリメントを工夫し、良質の睡眠を心がける。私たちが筋発達を促すために行ってきたことの全てが、コルチゾールのコントロールに役立つことなのである。

提供元・FITNESS LOVE

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