過去の土砂災害を教訓に
例えば、名栗川流域。降雨が続いていた明治43年8月10日夜。名栗村(当時)穴沢(あなざわ)地区の標高500mほどの尾根の東南斜面の山林が高さ約216m、幅約90mにわたって、雷鳴のような音を立て突如として崩れた。
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崩落した大量の土砂は名栗川支流の穴沢川へと流れ込み、土石流となって流れ下り、家屋を押し流した。被害は甚大で、穴沢地区では家屋2棟が埋没・全壊、6棟が流失し、男女17人が亡くなり、5人が行方不明となった。
被災から32年後の昭和17年。穴沢川沿いには遺族によって犠牲者の名を刻んだ碑が建立され、今もなお、名栗ではこの惨事を忘れてはいけないと、語り継がれている。穴沢川も土石流危険渓流である。
スマホアプリも併用しよう
自然災害回避の観点から、釣行をプランした渓流や付近の地形上の危険度をその自治体が発行するハザードマップで事前確認しておけば、「強い雨が降ってきたから、脱渓しよう」などと、釣り場での対応(避難行動)に生かすことができる。
ただ、土石流危険渓流に指定されていないからといって、悪天候の中、谷での魚釣りを続けるのは控えたい。
釣行当日の防災情報の入手方法として、筆者がよく利用しているのはスマホアプリ。天気予報のアプリは複数あるが、特に気に入っているのは「NHKニュース・防災」アプリである。
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最新ニュースとともに現在地や指定地域の天気予報、災害情報、雨雲の動き、マップ上で河川情報なども得られるので、重宝している。
<小島満也/TSURINEWSライター>
提供元・TSURINEWS
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