土石流危険渓流
ハザードマップで示されている土砂災害危険個所だが、発生する自然現象によって「急傾斜地崩壊危険箇所」「土石流危険渓流」「地滑り危険箇所」に区分され、それぞれ表示されている。このうち、渓流釣り愛好者に最も密接に関係するのが土石流危険渓流である。
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(画像=地図上に示された土砂災害の危険箇所(提供:TSURINEWSライター小島満也)、『TSURINEWS』より 引用)
山腹や河床の土砂が長雨や豪雨などによって一気に下流へ押し流されるのが、土石流。土石流危険渓流はこの土石流発生のおそれがあり、人家や公共施設に被害の生じる恐れのある渓流を指す。
土石流危険渓流に注意
土石流危険渓流は、土砂災害防止法に基づいて都道府県が調査し、公表する。埼玉県を例にすると、県内土石流危険渓流の総数は1202箇所(平成15年3月現在)。そのうち、筆者が居住する飯能市については271箇所で、これは埼玉県内で最多の指定数だ。筆者がヤマメ釣りでよく出向く名栗川流域と、その北側を東進する高麗川流域に土石流危険渓流は数多く存在する。
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(画像=飯能市の渓流沿いに設置されている標識(提供:TSURINEWSライター小島満也)、『TSURINEWS』より 引用)
一昨年10月の台風19号襲来時、両河川の土石流危険渓流からは大量の土砂が濁流とともに本流へと押し流されたが、幸いにも大きな被害につながることはなかった。しかし、過去に両河川の上流部では大規模土砂災害が発生、多くの人命と財産が失われている。