東川町が本当にすごい理由
東川町には、よその町には見られない、たくさんの "すごい" ことがありました。
前例のない、常識から外れることをものともせず、自分たち、または繋がった人たちを巻き込んでどんどん広がっています。
ただ、私が感じた東川町の一番のすごさとは、37年間やり続けてきたこと、ではないかと思います。
日本の企業や組織の多くが、短期で結果を求められ、目先の成果に右往左往し、他人の成功例に倣って、いとも簡単に方向性を変えてきました。
そうでなければ時代に取り残されるという恐怖感にかられ、いかに風を読んで凧を揚げることができるか、が良いこととされる風潮がありました。
しかし、東川町は、自分の軸を変えず、周りに振り回されず、かといって頑固一徹ではなく、しなやかにたくましく、自分たちの進む方向を見据えて歩んでこられました。
日本がバブルに浮かれていた時も、不景気で撤退や廃業、統合をしていた時も、目指した場所に向かって歩きつづけてこられたのです。
もちろん悩み、迷ったこともあったでしょう。それをやり続けてこられたことはやはりすごい、と思わずにはいられません。
東川町の取材を終えて
東川町が向かっている姿をひとことで表すとすると「こころ豊かに生きていく」ではないでしょうか。
町が生きていく道筋を「長い時間軸で捉える」のは、当たり前といえば当たり前でしょう。町という生き物は1~2年で終わるわけではないのですから。
よその自治体が東川町に視察にきたとしても、そのまま真似ることは難しいと思います。東川町から学びとることができるのは、表面的な町づくりのハウツーではありません。町としての生き方です。
東川町の生きざまは、今の日本が進むべき道の指針になるかもしれません。
日本はもう、右肩上がりの拡大路線をめざすステージではないでしょう。
「モノの豊かさ」から「心の豊かさ」を求める生き方に舵を切る。
そこにはもちろん不便もあり、みんなで守らなければならないこと、その中で自分が果たすべきことがあります。
そのことを理解し、納得し、自分たちで動いて作っていく。それが私たちに求められることなのかもしれません。
東川町は、やっぱりすごく豊かな田舎でした。
最後に、キトウシ森林公園の展望閣から見た東川町の動画をご覧ください。
文・写真・シンジーノ/提供元・たびこふれ
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