40代になって投資を始める人、始めて間もない初心者の人は不安が多いもの。そこで、iDeCo(イデコ)やNISAの違い、株式や国債など自分に向いている資産形成方法はどれなのか……賢い資産形成のために押さえておきたい知識を優しく紹介します。
40代でやっておきたい「投資・運用」3つのステップ
40代は自身の老後のゆとり資金の準備も始めなければならない時期でもある。老後のゆとり資金作りをスタートするために踏むべきステップを3段階に分けてみた。
ステップ1 使う時期や目的に応じた、お金の分類作業を行う
- 「必要な時にいつでも引き出せるお金」(当面6ヵ月くらい)
- 「1年後や5年後といった時期に使う予定のあるお金」(教育資金や車の購入資金など)
- 「10年以上は使う予定がないため将来のために残すことができるお金」(老後生活資金) 1は普通預金で保有。2はネット銀行を中心とした有利な金利設定の定期預金を活用するのが賢明だ。3はある程度リスクは伴うが預金よりも大きな利益が期待できる投資の活用も選択肢に入ってくる。
ステップ2 65歳時点の預貯金の目標額を設定する
次にすべきことは、退職後どのくらいの生活レベルを希望するのか、年金額はいくらなのか、会社の退職金制度はどうなっているのかを把握することである。これらを把握できなければ、不足額がいくらなのか、そのために今からいくら貯める(あるいは増やす)必要があるのか、投資元本に対する利回りを何%に設定すればいいのかが決まらない。
ステップ3 運用目標が決まったらすぐに投資を始める
ステップ1、2を終えたら投資でリスクを抑えながら安定した資産形成をするには、10年以上の時間が必要だ。40代だとリタイアまで20年前後あるため、4%程度までの利回り目標であれば、前述のリスクを抑えながら、安定的な資産の増加を十分に狙っていけるだろう。
もっと詳しく知りたい人は…
>>>40代でやっておきたい「投資・運用」3つのステップ(2018年9月29日公開)
40代からの資産運用に適しているのは株式、国債、不動産……?
株式投資、国債、投資信託に不動産と、投資対象の選択肢が多すぎて先に進めない人もまた多いはず。各金融商品の特徴を整理した。
株式投資
投資で真っ先に思い浮かぶのが株式投資だ。上場している会社の株式を保有・売買することで、配当金や売却益を得ることができる。
国債
国債は、国が借り入れを行うために市場で投資家に発行するもので、発行時において満期日や利息があらかじめ決められている。
投資信託
投資信託とは、投資の専門家が、複数の投資家から集めた資金を管理・運用し、そこからの利益を投資家に分配・還元する金融商品だ。
不動産投資
マンションやアパートなどの不動産を購入し、家賃収入を得る投資だ。家賃収入のほかに、取得価格より高い値段で売却することで売却益を得られる可能性もある。また、初心者は運用をプロに任せられる投資信託やREITなどを検討するのも手だ。
REIT
REIT(不動産投資信託)は投資信託の一種で、投資家から集めた資金でマンションや商業ビルなどを購入し、管理・運用する仕組みだ。
40代のビジネスパーソンは仕事も家庭も忙しく、相場を逐一確認したり、頻繁に売買取引したりするのは難しい。そこで検討したいのが、配当金収入や株主優待などを狙った投資だ。
もっと詳しく知りたい人は…
>>>40代からの資産運用に適しているのは株式、国債、不動産……?(2018年12月2日公開)
40代で初めてのiDeCo(イデコ)最適なポートフォリオは?
掛金が税控除の対象になる「iDeCo(イデコ)」。最適な運用商品を選択できるかどうかは、自身の投資スタイルを知っているか否かにかかっている。ポイントは安全重視・バランス重視・リターン重視のいずれに該当するかだ。自分がどの投資タイプに向いているかは、以下を参考にして確認してみてほしい。
- 教育資金の確保優先で老後資金の準備が手薄なため、手堅く積み立てたい
- ±8%の金融商品よりも、±3%の金融商品のほうが魅力を感じる
- 預貯金が中心で資産運用経験はあまりない
または、株式投資など他で積極的な運用をおこなっている
→ (1)安全重視
公的年金+貯蓄で最低限の老後資金は確保できる予定である
- リスクをできるだけ抑えた上で可能な限りリターンを得たい
- 仕事が忙しくてiDeCoの運用にあまり手間と時間はかけられない
あらかじめポートフォリオが組まれているものから選びたい
→ (2)バランス重視
- iDeCo以外にも企業年金や個人年金の備えが十分にある
- 生活費と教育費については別で確保済みである
5年以上の運用経験があり、iDecoにも積極的に投資したい
→ (3)リターン重視 もっと詳しく知りたい人は…
>>>40代で初めてのiDeCo(イデコ)最適なポートフォリオは?(2018年12月9日公開)
iDeCo(イデコ)、NISA、つみたてNISAを比較
iDeCo(イデコ)やNISA、つみたてNISAはともに非課税を売りにしたお得な制度であるが、それぞれに違った特徴がある。いつでも換金可能であることに加え、所得控除・退職所得控除・公的年金等控除が受けられ、通常の株式取引にも利用可能な制度だ。
iDeCoとは――自分で運用先を決める「年金」
iDeCoとは個人型確定拠出年金の愛称だ。加入者は60歳まで毎月最低月額5,000円から1,000円単位で一定の掛金を支払い、自らが金融商品を選択して運用を行なう。運用した資産は、原則として60歳以降に受取ることができる。
NISAとは 投資で得られる利益が非課税になる
NISAのメリットは、株式・投資信託などへの投資から得られる配当金・分配金や譲渡益が非課税になる点だ。
つみたてNISAとは 少額の積立投資を支援する非課税制度
つみたてNISAは、少額からの長期・積立・分散投資を支援するための非課税制度だ。対象となる金融商品は、長期の積立・分散投資に適した一定の投資信託だ。日本在住の20歳以上なら誰でも対象となる。
以下にiDeCo、NISA、つみたてNISAのそれぞれの違いについて表にまとめてみた。
項目……iDeCo/NISA/つみたてNISA
年間投資額上限……14万4,000円~81万6,000円/120万円/40万円
運用期間…… 60歳まで/5年/20年
所得控除…… ○/×/×
利益非課税……○/○/○
途中換金…… ×/○/○
対象金融商品……定期預金・投資信託・保険/株・投資信託・ETF・REITなど/対象の投資信託
もっと詳しく知りたい人は…
>>>iDeCo(イデコ)、NISA、つみたてNISAを比較(2018年10月2日公開)
今さら聞けないREITとは?
REITとは不動産投資信託の略。まずは国内の上場REIT、J-REITについて説明していこう購入方法は至ってシンプルであり、基本的には株式と同じである。証券会社に口座を開き、株式同様4桁の銘柄コードを指定し、証券取引所にて売買を行う。手数料体系も株式と同様であり、NISAを使って購入できる。J-REITは株式と異なり、購入単位が1口単位となっている点に注意したい。国内株式は単元株数が100株へ統一されたが、J-REITはこの限りではない。
海外のREIT市場への投資は、どのようにすればいいのだろうか。現在のところ、国内の証券会社で海外REITの個別銘柄を購入することは原則的にできない。国内において、海外REITに投資する場合は、ETFか投資信託の枠組みを用いる必要がある。
もっと詳しく知りたい人は…
>>>今さら聞けないREITの話 不動産投資信託の購入方法や注意点とは?(2018年11月26日公開)
ETFと投信、どちらが自分に合っているのか?
ETF(Exchange Traded Fund、上場投資信託)と投資信託の最大の違いは、市場に上場されているかどうかだ。ETFは上場、投信は非上場。ETFのメリットは、市場が開いている時に株取引と同じ感覚で取引が可能なこと。自分の好きなタイミングで、納得できる価格になるのを待って売買できる。また信用取引もできるため自己資金よりも大きなポジションをとることや、価格の下落を予測して空売りで利益を得ることもできる。投信よりも信託報酬が安いため、長期投資をする場合、投信よりも低コストで保有し続けることができる。
投信は、ETFよりも信託報酬が高い。その代わり最低購入金額のハードルが低く、1万円程度から買い付けができる。自動積立のプログラムもあるため、一定額を少しずつ継続的に買い足すことができる。また、配当金を自動で再投資することもできる。
もっと詳しく知りたい人は…
>>>今さら聞けないREITの話 不動産投資信託の購入方法や注意点とは?(2018年12月20日公開)
※掲載されている情報は詳細記事公開時のものとなります。
構成・マネータイムズ編集部
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