企業とステークホルダーを結ぶ重要な役割を果たす「広報」の仕事。「広報」がどのような仕事をしているのか具体的にイメージできない人も多いのではないでしょうか。

本記事では、広報の仕事内容や、向いている人の特徴、取得しておきたい資格についてご紹介します。「広報の仕事につきたい」と思っている人は、ぜひ参考にしてくださいね。

目次
広報とは?
広報の主な5つの仕事内容

広報とは?

「広報」という言葉は耳にしたことがある人も多いのではないでしょうか。

広報とは、「広く、報じる」と書くように、企業の情報を企業にとってのあらゆるステークホルダーに届けるための仕事です。

似たような言葉に「PR」「IR」「広告宣伝」などの言葉があります。以下では、これら3つの言葉と「広報」との意味の違いを解説。正確に広報という言葉を理解できるようになりましょう。

PR

PR(パブリック・リレーションズ)とは、その名の通り、公との関係性を作ること。メディア・株主・顧客そして、社員や社員の家族なども含めたステークホルダーとの関係性を作ることであり、広報と同じ意味合いです。

SNSで「#PR」がついた投稿を見たことがある人も多いのではないでしょうか。日本では「PR」との言葉は「AD(広告)」と同義に使われていることもありますが、本来の意味であるPRは、広告とは異なります。

IR

「IR」という言葉を聞いたことがある人は少ないのではないでしょうか。

IRとは「インベスター・リレーションズ」の略で、投資家や株主に向けて情報発信する活動のことを指します。

広報が対象としているステークホルダーの一部に投資家や株主も含まれるため、IR活動も広報活動の一貫といえます。

IRは「企業説明会」「決算説明会」「企業方針」などを投資家に説明する役割。投資家に自社の存在をアピールする仕事を担っているため責任は重要です。

広告宣伝

広告宣伝は、広報ではなくマーケティングの考え方に近い働きをします。

広報は、自社の情報をメディアに発信したうえで、メディア側が情報の取り上げ方を検討します。そのため、自社が伝えたいことがそのままメディアに取り上げてもらえるかどうかはわかりません。

一方、広告宣伝は、企業側が望む情報をお金を払って、一方的に発信するところに違いがあります。

広報の主な5つの仕事内容

広報の仕事は、メディア関係者に向けたものや、社内に向けたものなど、消費者が知らないところでも行われています。以下では、広報の主な5つの仕事内容について詳しくご紹介します。

1.プレスリリースの配信

広報の仕事内容の1つ目は、プレスリリースの配信です。

プレスリリースという言葉を聞いたことがない人もいるのではないでしょうか。

プレスリリースとは「新聞」を意味する「press」と、発表を意味する「release」からなる造語です。企業から消費者に情報を提供するのではなく、企業から報道機関に情報を配信することをいいます。

プレスリリースは、TV・新聞・Webメディアなどの様々な媒体社に向けてニュース性のある情報を公開し、メディアに取り上げてもらうことを目的に配信されます。

広報にとって、メディア掲載や取材などを目標として、プレスリリースの配信を行うことは重要な業務のひとつです。

2.取材や報道の対応

広報の仕事内容の2つ目は、取材や報道の対応です。

プレスリリースや、プレスリリースを見て二次的に発信された情報を見た報道関係者からの取材対応をするのも広報の仕事です。

自社の伝えたいことが魅力的に伝えられるように工夫をしたり、間違った情報が伝わらないのか確認をしたりします。

3.イベント企画

広報の仕事内容の3つ目は、イベント企画です。

広報はステークホルダーとの関係性を作るため、目的や参加者対象、予算などを考慮に入れて、イベントの企画開催を行います。

例えば、顧客や取引先への情報提供を目的としたイベントを開きたいのなら「展示会」、社内の人に自社製品の魅力を知ってもらうためには「セミナー」などを開催することも。

また、「カンファレンス」「ワークショップ」「コンテスト」「販売会」など用途に合わせて様々なイベントを企画します。

4.コーポレートサイト・オウンドメディア・SNSの運営

広報の仕事内容の4つ目は、コーポレートサイト・オウンドメディア・SNSの運営です。

コーポレートサイトとは「企業のホームページ」のことで、企業とその利害関係者との交流が行われる場のこと。オウンドメディアはコーポレートサイトを含む自社のメディアのことをいいます。

企業として発信する情報を決めて発信することは、広報の重要な役割だといえるでしょう。

5.社内報(広報誌)の作成

広報の仕事内容の5つ目は、社内報(広報誌)の作成です。

広報にとってステークホルダーは社外だけではなく、社内の従業員や従業員の家族も含まれます。

社内報は、企業が自社の社員に対して行う広報活動のひとつ。自社の社員に情報共有することで、社員の意識をまとめて企業の方針を共有することが可能です。