どうして日本製の船は不沈構造が義務づけられないのか

国産メーカーのボートはこうした安全性の違いから海外には輸出されません。軽四輪とおなじようなものです。

しかし国産メーカーでもこうした試みは当然しています。

ヤマハさんのサイトに切々たる苦労のレポートがありました。

まず不沈化すると、このように大穴が開いても沈まなくなります。

知床の観光船事故は国土交通省にも責任がある
(画像=『アゴラ 言論プラットフォーム』より引用)

なぜ、国産艇は不沈構造にできないのかというと、そもそも日本の小型艇の造船所は中小零細。数人で小さな工場で作ってるようなところが多い。で、建築と同じで「在来工法」というのがありまして、ヤマハの資料を見ますと違いがよく分かります。

在来工法

知床の観光船事故は国土交通省にも責任がある
(画像=『アゴラ 言論プラットフォーム』より引用)

ハル(外壁)の内側に手作業で仕切りを付けて補強していく。これだと敷居が邪魔してあとで発泡剤を吹き込めません!!

海外のボートはこの構造体がないので、こんな感じに間にたっぷりと発泡ウレタンを吹き込めるわけです。

知床の観光船事故は国土交通省にも責任がある
(画像=『アゴラ 言論プラットフォーム』より引用)

しかし、日本の場合

1 物入れが少なくなる
2 重くなって燃費か悪くなる
3 製造原価が高くなる

ということでほとんど採用されませんでした。実は小型船舶の法規でも不沈性試験というのがありまして、不合格、もしくは申請しない場合、ルールに従ったサイズの「船首甲板」が必要となります。こういうやつです。

知床の観光船事故は国土交通省にも責任がある
(画像=『アゴラ 言論プラットフォーム』より引用)

こういうのが着いてる船は不沈ではないと言うことですね。