目次
エゾオオカミの居ない北海道で今、なにが起こっているのか?
・エゾシカによる被害とその関係性
・オオカミの再導入を検討
北海道で希少なエゾオオカミの剥製を見る
エゾオオカミの居ない北海道で今、なにが起こっているのか?
オオカミは生態ピラミッドの頂点捕食者に位置しています。エゾオオカミが絶滅した今、北海道でどのようなことが現象として起こっているのでしょうか。
エゾシカによる被害とその関係性
捕食者の頂点であったエゾオオカミが居なくなる。そのことで生態系バランスが崩れることの他に大きく関連している問題があります。近年まさしく問題となっている「エゾシカの増加」です。エゾシカの増加により農業への被害が問題となっているニュースはテレビでも報道されています。
エゾシカの捕食者であるエゾオオカミが絶滅してしまったためにエゾシカは急増。増え続けたエゾシカは農業被害の他にも、樹木を傷つけたりと、北海道の広範囲の森林へダメージを与えています。
そこで、エゾシカの頭数を減らすために思案されたのが、オオカミの再導入です。
オオカミの再導入を検討
エゾオオカミが絶滅したことでエゾシカが増えてしまった。ならば、もう一度オオカミを森林へ導入してはどうだろう? 人為的にオオカミの群れをふたたび形成すれば生態系のバランスは安定するのではないだろうか? そういう試みをもとにしたのがオオカミの再導入です。
日本でもオオカミの再導入が検討されています。しかし現時点の日本において、オオカミの再導入は決定されていません。再導入について、さまざまな意見が寄せられており、議論はしばらく続きそうです。
このオオカミの再導入。実はすでに海外で実施されています。アメリカのロッキー山脈やイエローストーン国立公園、アイダホ州ではオオカミの再導入が実施され、オオカミの群れを形成することに成功しています。日本の他にもヨーロッパでもオオカミの再導入が検討されています。
もしも日本にオオカミを再導入するとしたら、小型のハイイロオオカミが適していると言われています。

北海道で希少なエゾオオカミの剥製を見る
残念なことに、2022年現在でエゾオオカミに会うことはできません。しかもエゾオオカミの剥製は非常に希少で、わずか4体のみと言われています。北海道でエゾオオカミの剥製を見ることができるのは『北海道大学植物園』です。
植物園では、エゾオオカミの剥製の他にもヒグマや『南極物語』でお馴染みの『タロ(犬)』などの展示が行われています。