資格学校の対策

では、資格学校はどのように対策すれば良いでしょうか。

それは「時間を売る」ことです。

独学よりも早く合格できる。学費はかかるけど、その分早く仕事に活用できる。収入増につながる。結果として資格学校の方が得。そう納得させることができる体制を整備します。

製品面では、本試験での得点獲得を重視した教材作成。学習スケジュール作成サービスなど、受講生サポートの強化を行い、短時間で合格させるカリキュラムを再構築します。

価格面では、高めの価格を設定し、オンライン通信講座との価格競争を回避します。

販促面では、短期間で合格できる体制を、徹底訴求します。営業トークやパンフレット・ウェブサイト等を大幅に変える必要があるでしょう。

これら施策により、「時間を買う」人、つまり本気で資格を取ろうと考えている人を、受講生として取り込みます。

資格学校市場への参入は熟考を

筆者が、初めて資格を取ったのは25年前。当時は、分かりやすい書籍も少なく、独学は選択肢になりませんでした。ところが、いまや書店の資格コーナーは充実。オンライン通信講座も増えつつあります。今後、ますます独学者は増えることでしょう。

教育市場は、コロナなど災害時でも需要が安定しているため、参入を検討している企業が多いことと思います。ですが、上述の通り、資格学校市場は決してブルーオーシャン(※3)ではありません。参入するのであれば、相当の覚悟が必要となるでしょう。

[備考]

※1 業種別審査事典:日本の全産業、全業種を網羅した業界情報誌
本稿では、第7巻 2020年1月発行版を利用

※2 両ウェブサイトより
スタディング:「講座内容に関するご質問への回答サービスは付属しておりません」
ユーキャン:「質問回数に制限を設けさせていただく場合があります」

※3 ブルーオーシャン=競争相手のいない未開拓の市場

文・関谷 信之/提供元・アゴラ 言論プラットフォーム

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