合格者が増えるほど、独学者が増える

かつては、独学による資格取得は難しいものでした。しかし、昨今は、2つの要因により、難易度が大幅に低下しています。

要因の1つ目は、合格者による情報発信です。

ネットで「資格」などキーワードで検索すると「XX士合格作戦」「1年で、XX資格を取る方法」など、合格者のブログや動画が、多く見つかります。勉強方法や、スケジュールの立て方、試験傾向など、内容も大変充実しています。合格したばかりの人たちの発信が多いため、情報が新鮮です。

従来、資格学校が「有料」で提供していたノウハウや情報。それらが、合格者によって「無料」で提供されている。

資格学校にとっては、自学の卒業生(合格者)が増えるほど、より独学しやすい環境になってしまう。なんとも皮肉な状況なのです。

オンライン通信講座の出現

要因の2つ目は、オンライン通信講座の出現・台頭です。

2020年7月に東証マザーズ上場を果たした、オンライン通信講座:スタディングは、3年連続で売上を増加させています。ユーザーサポート非対応。オンラインへの注力。これらにより実現した、資格学校の半額程度という安価な講座が、スタディングの強みです。

資格に興味はあるけど、高額な学費は払えない。完全独学に不安がある。通学時間の確保が難しい。オンライン通信講座は、そういった層の受け皿になっています。

弱点は、脆弱なサポート体制でしょう。スタディングは、講座内容に関する質問は対応していませんし、ユーキャンは質問回数に制限を設けています(※2)。

しかし、独学者にとって、このサポート不足は大きな問題ではありません。上述の「合格者からの情報」で補えるからです。オンライン通信講座+市販テキスト+ネット上の合格者ノウハウ。これらをフル活用することが、独学者の合格モデルになりつつあります。