行政書士になる方法
行政書士になるには、どのようなルートがあるのでしょうか。行政書士になる方法を解説するので、目指している人は参考にしましょう。
年に1回実施される行政書士試験に合格する
毎年11月の第2日曜日に実施される行政書士試験に合格し、資格登録をすれば行政書士になれます。試験は計60問で、基本的には選択式ですが、一部に記述問題も出題されます。
試験科目は法令科目と一般知識の二つで、約8割が法令科目からの出題です。配点は300点満点で、合格基準点は6割の180点です。
ただし法令科目と一般知識の両方に合格基準点が設定されており、どちらかの点数が基準に満たなければ、合計で180点を超えていても不合格となってしまいます。
年齢、学歴等の受験資格はない
行政書士試験に受験資格はありません。そのため性別・年齢・国籍問わず誰でも受験が可能です。実務経験の有無も問われません。
受験者は20代から60代までと幅広く、わずかながら10代の受験者もいます。合格者は20〜40代が中心で、幅広い年代の人が受験・合格していることがわかります。未経験でも十分に合格を目指せる試験といえるでしょう。
行政書士の難易度と必要な勉強時間
誰でも受験できる行政書士試験ですが、果たして難易度はどの程度なのでしょうか。行政書士試験の難易度と、合格に必要な勉強時間を解説します。
簡単ではないが努力すれば合格可能
行政書士試験の合格率は、毎年約10%です。合格率を見ると、突破するのはそんなに簡単ではないことがわかります。参考までに、他の資格の合格率と比較してみましょう。
資格 | 合格率の目安 |
行政書士 | 10% |
税理士 | 15% |
宅建士 | 15% |
社労士 | 7% |
司法書士 | 3% |
中小企業診断士 | 4% |
合格率を比較すると、行政書士は他の難関とされる資格よりは合格しやすいといえるでしょう。行政書士の試験は、合格基準点を満たせば誰でも合格できる絶対評価であるのも特徴です。
他の難関資格とのダブルライセンスを狙う場合は、まずは行政書士の資格を取得することをおすすめします。なお税理士の合格率は行政書士より高いですが、試験の難易度は税理士の方が高めです。
税理士の資格を持っていると、資格登録をするだけで行政書士の仕事もできることからも、税理士は行政書士の上位互換的な資格であると考えられます。
合格に必要な学習時間の目安は600時間
行政書士試験に必要とされる勉強時間は、法律の知識の有無や勉強方法によって異なります。法律の知識をある程度持っている場合や、通信講座を使って勉強をする場合は、約600時間が目安となるでしょう。
法律の知識がゼロの状態から勉強する場合や、独学で勉強する場合は800〜1000時間程度の勉強時間を確保しておく必要があります。
独学の場合、効率的な勉強方法や教材選び、傾向分析を自分で行わなければなりません。そのためそれらをパッケージにして提供してくれる通信講座などと比べると、どうしても時間がかかるといわざるを得ないのです。
働きながら合格を目指すポイント
働きながら行政書士試験の合格を目指す場合、ポイントとなるのがいかに計画的に勉強できるかです。他の難関資格と違い、行政書士試験は働きながらでも合格を目指せますが、合格率10%の試験を突破するのは簡単ではありません。
仕事しながらの勉強であれば、ときには残業で疲れていたり、休日にプライベートの予定が入ったりして思うように勉強が進まないことが想定されます。そのため、試験日から逆算して、長期スケジュールと短期スケジュールを立てることが大切です。
計画を立てることでゴールが明確になるので、モチベーション維持にもつながります。行政書士試験の試験範囲は広いので、まずはテキストを一読して自分の苦手分野を見つけ、そこを重点的に勉強することがおすすめです。