税理士に必要なスキル
税理士になるには、会計に関する知識はもちろん必要ですが、ほかにもシーンによってさまざまなスキルが求められます。クライアントワークを行ううえで重要な、3つのスキルについて解説します。
1.営業力
税理士に必要な1つ目のスキルは、営業力です。
税理士の多くは開業届を提出し、個人事務所を運営してクライアントワークを行っています。税理士は企業や個人などさまざまな場面で求められるため需要が高く、食いっぱぐれも少ない職業といわれていますが、それは継続的に仕事を依頼してくれるクライアントを見つけてこそです。
ひとつ一つの案件に対して積極的に取り組めば、自ずとクライアントからの信頼はあがります。そこから知人や取引先を紹介してもらえるよう、さりげなく営業トークができるかどうかで、収入面が変わってきます。
2.コミュニケーション力
税理士に必要な2つ目のスキルは、コミュニケーション力です。
税理士の業務は自己完結できることが少なく、多くはチームで動いています。ミスが起こらないようにするため、ほかの税理士と情報を共有し合ったり、複雑な業務を分担して行ったりすることがあります。
その際に大切なのがコミュニケーション能力です。伝えるべきことを相手にわかりやすく伝え、共有漏れを防ぐことができれば業務をスムーズに進められます。
経営者と密にやりとりをするパートナー契約を結んでいる税理士であれば、より積極的にコミュニケーションを取ることが求められます。経営状況や相手の立場に立って物事を考え、ときには理解してもらいやすい言い方でクライアントに苦言を呈することも必要です。
3.必要な情報を聞き出す力
税理士に必要な3つ目のスキルは、聞き出す力です。
税理士の仕事はすべて相談から始まります。相談者が何に困っているのか相談内容に耳を傾けながら、同時になぜそのような状況になってしまったのか、原因を突き止めるための情報収集も行う必要があります。
その際、寛容な心で話を聞き、ただ受け止める姿勢も重要。現状を改善するために相談にきているのに悪いところを指摘してしまうと、相談者が正しい内容を話してくれなくなる可能性があります。
真剣に話を聞き、必定な情報を聞き出す力は、税理士にとって欠かせないスキルといえるでしょう。
参考:日本税理士会連合会「税理士って?」
税理士の将来性・キャリアパス
専門性の高い業務を行う税理士は、キャリアの選択肢が広い職業のひとつです。資格取得後、税理士事務所に所属して経験を積んだ先のキャリアは、どんな業務に携わりたいのかによって異なります。
選択肢としてあげられるのが、一般事業会社・金融機関・コンサルティングファームの3つ。一般事業会社では、税理士事務所に比べて税務・財務・会計と幅広い業務に携われるのが特徴です。日系の上場企業や外資系企業などが勤務先としてあげられます。
金融機関は、大手金融機関なのか信託銀行なのかによって経験できる業務は異なります。大手金融機関の場合は中小企業向けのM&Aや事業承継支援などに携わり、社外アドバイザーとして経営者に助言を行うことも少なくありません。
信託銀行の場合、クライアントは主に個人富裕層。相続・遺産・贈与などに関するアドバイスを行います。
残るは、コンサルティングファームです。会計系とシステム・戦略系の2つのフィールドがあり、会計系コンサルティングファームでは、税務会計業務とコンサルティング業務の両方を任せられることが多いようです。
一方、システム・戦略系コンサルティングファームでは、システムに関する知識や経営能力が求められるのがポイント。会計税務のシステムやソフトを扱うため、会計以外の知識を有していることが求められます。