オーナー側に
「売る意志」を醸成

足立氏の改革は、加盟店オーナーの「売る意志」の醸成にも効果を発揮していると考えます。来店客にわかりやすい販促は、加盟店オーナー側にとっても「売り込む商品や売り込む方法がわかりやすい」ことを意味します。成果が出れば、「こうすれば売れるんだ」と、オーナー側も自信がつき、新商品をしっかり売り込む習慣化ができるようになります。

徹底して定番商品を磨く

もう1つ足立氏の施策で注目したいのが、定番商品を訴求している点です。

「クリスピーチキン」に続く成功事例が、21年3月に発売した「ファミマ・ザ・メロンパン」(118円:以下、税込)と「ファミマ・ザ・カレーパン」(130円)です。

メロンパンは、フランスのノルマンディー産の発酵バターを配合し、香りのよさと隠し味にレモン果汁を加えることで、芳醇な発酵バターが香る、焼き菓子のような豊かな味わいに仕上げています。

カレーパンは、炒めた牛肉と玉ねぎのうま味、隠し味の赤ワインの風味、果実ペーストによる自然な甘みを感じられる商品です。この2品目の累計販売数は、発売から2週間で400万食を突破しました。

23年2月期に入ってからもファミリーマートは、ファミマ・ザ・パンシリーズにクリームパンを新たに投入したほか、メロンパンとカレーパンをさらに香り豊かにリニューアルを実施しています。

これらはコンビニのなかでも定番商品と言えるものです。定番商品は購入者が多く、購入頻度も高い。だからこそこだわり商品として磨き込み、売上、消費者からの支持向上を図っています。