成熟したヒマワリは、その顔を常に東に向けています。

アメリカ・カリフォルニア大学デービス校(University of California, Davis:UCD)に所属する植物学者ステイシー・ハーマー氏ら研究チームは、ヒマワリが東に向けて花を咲かせる理由を解明しました。

ヒマワリは東を向くことで、ミツバチを介した受粉の効率を向上させていたのです。

研究の詳細は、7月27日付の科学誌『New Phytologist』に掲載されました。

目次

成熟したヒマワリは東を向く
東向きのヒマワリは温かくミツバチを集めやすい
ヒマワリは東を向くことで子孫繁栄を狙っていた

成熟したヒマワリは東を向く

成熟したヒマワリが東向きに固定される理由が判明、ハチと太陽に原因がある
(画像=成熟したヒマワリは東向きで固定される / Credit:Depositphotos、『ナゾロジー』より引用)

以前の研究から、成長期の若いヒマワリは、太陽を追って体を東から西に動かすと分かっています。

これはヒマワリ内部の概日リズムによって生じています。

人間の体内時計と同じく、植物の体内時計が作用することで日光を最大効率で吸収できるようにしていたのです。

そして太陽が沈むとまた東向きに戻り、朝日から十分に日光を受けられるよう備えます。

しかしこの1日の動きは、成長段階のヒマワリに限定されます。

成熟した(花が咲いた)ヒマワリは、顔の向きを東向きで固定してしまい、動かなくなるのです。

では、成熟したヒマワリが東向きで固定するのはなぜでしょうか?

ハーマー氏ら研究チームは、この点を解明しようとしました。