ワコールだからできる、靴事業を成功させたもう1つの理由とは

 現在、サクセスウォークは全国の百貨店約100店舗で展開しており、累計販売数量は113万足を超える(2021年12月時点)。

 ウエルネス商品営業部 事業企画課の平井澪希氏は、「豊富なバリエーションを用意することで、限りなくお客さまの足型にあうサイズをご用意できる」と自信をにじませる。サクセスウォークで一番サイズバリエーションが豊富なWFN050という品番であれば、足長は21.5㎝~26㎝まで0.5cm刻み、足囲はB~EEEまで6種を用意。トゥの形状はスクエア、ポインテッド、ラウンドの3タイプ。ヒールの高さは、3.5cm、5cm、7cmの3タイプを取りそろえている。若年層の小さなかかとに着目してサイズのバリエーションをさらに拡大したことで、直近のシーズンでは42品番712SKU(パンプス以外も含む)にまで広がった(2021年秋冬シーズン、ワコールウェブストア・一部店舗限定サイズ含む)。

 これほどのサイズ展開をする以上、店頭では膨大な在庫をつねにストックしておく必要がある。実はこれが、靴事業を成功させた理由の一つ。ワコールが取り扱うブラジャーは、カップサイズだけでもAA~Iと豊富。つまり多数の在庫をコントロールできる仕組みが社内に構築されており、これが靴事業の成功につながっている。

 近年は、ファッションの多様化やライフスタイルの変化によりパンプスを履く機会は減りつつある。「もっとかかとの低い靴はないのか」といったニーズに対応するため、2021年からはサクセスウォークにフラットシューズが誕生した。「ユーザーの共感を経て、いまがある。これからもユーザーと共に歩み、快適な靴を追求し続けたい」(同)

下着メーカーならではの気づき!「ワコールの靴」が就活生に人気のワケ
(画像=ウエルネス事業部 事業企画課の平井澪希氏、『DCSオンライン』より 引用)

提供元・DCSオンライン

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