高い静粛性と運転のしやすさ

上質なプライベート空間の領域では圧倒的な静粛性の高さが際立つ。ボディを専用設計にしたことで、デイズよりさらに静粛性が高くなり、風切り音も抑えられリビングのような雰囲気も持っている。また試乗車の上級グレードGに装備されるファブリックシートはソファのような座り心地で、乗り心地のよいサスペンションにより快適さがプラスされる。

サスペンションはリヤを3リンク式のリジットアクスルで、しっとりとした滑らかな動きのダンパーを装備している。およそ軽自動車とは思えない滑らかさで、ハーシュネスもすべてが丸く丸められており尖った入力は感じない。こうした乗り心地はバッテリーなどの重量増が良い方向に影響していると想像できる。

日産 新型軽EV「サクラ」試乗記 テストコースで抜群の静粛性と運転のしやすさを実感
(画像=『AUTO PROVE』より引用)
日産 新型軽EV「サクラ」試乗記 テストコースで抜群の静粛性と運転のしやすさを実感
(画像=『AUTO PROVE』より引用)
日産 新型軽EV「サクラ」試乗記 テストコースで抜群の静粛性と運転のしやすさを実感
(画像=『AUTO PROVE』より引用)
日産 新型軽EV「サクラ」試乗記 テストコースで抜群の静粛性と運転のしやすさを実感
(画像=『AUTO PROVE』より引用)

運転のしやすさという点ではモーター制御の良さが際立つ。動き出しのレスポンスの良さを見せつつも踏み込んでいくと暴れるような加速ではなく、均一のトルクで背中を押し続けられているイメージだ。ドライブモードはスポーツ、ノーマル、エコがあり、ワンペダル走行できるe-Pedalも装備し、どのモードでも対応するので6つのドライブモードがあるとも言える。

このe-Pedalは車速に応じた減速Gに変化するので、違和感なく乗りやすい。ハイスピードの時は大きな減速Gはなく、ブレーキペダルに足を乗せた程度の減速Gからはじまり、車速が落ちるに従い減速Gは立ち上がってくるので、自然なブレーキ操作を自動でやってくれているという印象を受ける。

一方加速では、発進時や追い越し加速、合流加速などで力強さの欲しい場面ではグッと強い加速をするので、もたつき感がまったくない。195Nmというスペックなので、その勢いのまま加速していくのかといえば、十分要求トルクに対応したであろう車速になると加速は緩やかになるので、誰もが怖くなくアクセルを思いっきり踏み込むことができると思う。

ステアリングも適度な鷹揚さがあり、好ましい。モーターのレスポンスがいい分、ステア応答まで高レスポンスになりがちだが、そこはユーザーの顔を見る制御になっていると感じる。また50km/hを過ぎた付近からセンターの座りにしっかり感が増すので直進安定性が高まり、安心感が伝わってくる。

日産 新型軽EV「サクラ」試乗記 テストコースで抜群の静粛性と運転のしやすさを実感
(画像=リヤは3リンクのリジットアスクル、『AUTO PROVE』より引用)

コーナリングではリヤの追従性が高く、常にリヤタイヤのグリップが伝わってくるので安心だ。さらに急な切り込み動作をしても過敏には反応せず、ステアした量だけ回頭する。フロントが高荷重の時にステアし、アクセルを急激にオフするとややイン側へ入り込む挙動は出るものの、巻き込むまではいかないので、十分修正舵で対応できる。反面、アンダーステアが出ている時にアクセルを開けても外には膨らずステア方向へ曲がろうとするナチュラルな挙動なので違和感はない。

ナビまわりやプロパイロットなどの装備、使い勝手などは今回の試乗ではテストできていないので、次回公道で試乗する機会でお伝えしたい。