人事に必要な能力
企業を『ヒト』の面から支える人事ですが、どのような能力が求められるのでしょうか。人事を務める上で必要な能力を三つ解説します。
情報収集能力
人事は労働に関する法律の改正や、採用活動におけるトレンドを敏感に把握する能力が求められます。法律の改正が自社に与える影響をいち早く察知し、制度の変更や事務手続きなどを柔軟に対応できることが重要です。
また採用市場は日々トレンドが変化しています。ずっと同じ方法で採用活動を行っていては、良い人材の確保は難しいでしょう。新しい採用手法を見つけた際は、リサーチを行い、効果がありそうなら積極的に自社に取り入れる姿勢も大切です。
スケジュール調整・管理能力
人事は社内外の人たちとの調整を頻繁に行います。対内的には、必要な書類提出を期限までに提出するよう社員に促したり、人事面談の日程調整を行ったりします。
採用活動においては、候補者との面接の日程調整や、採用イベントの企画やスケジューリングが必要でしょう。また採用面接は候補者の都合で急な変更・キャンセルになるケースも珍しくありません。
一度決めたスケジュール通りに事を進めるだけでなく、急な予定変更にも柔軟に対応できることが人事の担当者には求められます。
コミュニケーション能力
人事は多くの人と関わる仕事です。そのため、関係各所と良好な関係を築くコミュニケーション能力は不可欠です。
特に採用活動においては、人事は企業の顔として候補者と接します。人事担当者のイメージがそのまま会社のイメージにつながることも少なくありません。
そのため、候補者にマメに連絡したり、自社の魅力を自分の言葉で伝えたりすることが大切です。テンプレートのような決まった言葉だけでは、自社の値打ちをあげることはできないでしょう。候補者に良いイメージを与えるためには、人としての魅力も必要かもしれません。
また、採用面接においては、自社にふさわしい人物であるかを見極めるために候補者から必要な情報を引き出す能力も求められるでしょう。
人事に向いているのはこんな人
人事の仕事に向いている人の特徴を三つ解説します。自身に当てはまるところがあれば、人事にチャレンジしてみても良いでしょう。
口が堅く秘密を厳守できる人
人事は従業員の給料や評価、マイナンバーなどの機密情報を扱う立場にあります。場合によっては、リストラ予定の社員の情報を扱うこともあるでしょう。
このような機密情報が漏えいした場合、社員の不満が溜まるなどのトラブルの種になるだけでなく、企業全体の不信感につながりかねません。
そのため、秘密を絶対に口外しない人は、人事に向いているといえます。人事には業務上のスキルだけでなく、上記のようなヒューマンスキルも求められます。
相手の立場に立った行動ができる人
企業にはさまざまな考えや思いを持った従業員が存在しており、経営者の意向と反する考えを持った人もいるでしょう。
例えば、経営者はコンプラ遵守やコスト削減のために、残業を抑制したいと思っているかもしれません。しかし、独身で働き盛りの社員の中には、残業をしてでも多くの給料をもらいたいと思っている人もいるでしょう。
そのため『残業の制限』は社員にとって良さそうに見える制度ですが、全社員が納得するとは限りません。人事は従業員の立場に立って考え、時には妥協案を提案する調整力が必要です。
関係各所の立場に立った行動ができる人は、人事としての素質があるでしょう。
裏方でサポートすることが苦にならない人
人事は採用活動においては表に立って活躍しているイメージがありますが、それ以外は裏方の役割を演じていることが実際のところです。
例えば、自分が採用した人材や、異動の提案をした社員が活躍した場合に評価されるのは本人であり、自分は働きの割に評価されないこともあります。
しかし、そのような状況でも不満を持たず、他人の成功を自分のことように喜べる人の方が、人事に向いているといえます。