筋量を増やしながら体脂肪を減らすことは、基本的にはできないと考えたほうがいい。筋量を増やすためには摂取カロリーを増やす必要があるし、脂肪を減らすためには摂取カロリーも減らす必要があるからだ。しかし、ボディビル競技の世界では、ステージに立つ選手たちは、筋肉のサイズを維持しながらバリバリに絞れたコンディションを作らなければならない。そのため、筋量を増やす増量期と、体脂肪を減らす減量期を分けて計画を立てるのである。筋肉のサイズを維持したままコンディションを極めると、まるで解剖図を貼り付けたような身体を完成させることができる。しかも全身のシルエットはまるで彫刻像のように美しく、コンテストでも高い評価が得られる。
by James Conklin, RD
体重の増減を目安にしない
筋量を増やす時期も体脂肪を減らす時期も、ボディビルダーが目安にしているのは体重の増減ではない。
筋量が多少増えたとしても、それ以上に体脂肪が増えてしまったら意味がない。逆に、体脂肪を落とせたとしても、それ以上に筋肉が犠牲になっていては減量は失敗なのだ。
筋量を増やす時期についてはまた別の機会に述べるとして、今回は減量を成功させるための方法について解説していきたい。
減量に入ってまず誰もがすることは摂取カロリーを減らすことだ。ただし、その加減は非常に難しく、体を騙しながら少しずつカロリーを減らし、消費カロリーを下回るようにする。
減量期は空腹感との戦いでもあるので、これに負ければ結果も負けということだ。しっかり食べながら体脂肪だけを減らす方法はないものだろうか。
食べながらでも脂肪は落とせる?
「食べながら減らす」それができれば理想的だ。摂取カロリーをそれほど減らす必要がなければ、筋量の減少を最小限にとどめながら体脂肪を燃やすことができるはずだ。
しかも、食事量を大幅に減らす必要がなければ空腹感と闘う必要もなく、減量を長期にわたって続けることも可能になる。さらに、適度に食事ができるので、減量期でもトレーニング時のエネルギーレベルを維持することができる。しかし、実際のところそんな食べ物はあるのだろうか。答えはイエスだ。
これから紹介する食材は、ふだんから私たちが食べているものがほとんどだろう。これらの食材を組み合わせた食事メニューを作れば、減量の成功率は高まるはずだ。