自民党総裁選挙で、河野太郎さんが提案した最低保障年金が大論争になっています。これは民主党政権で提案され、成立しなかったものとほぼ同じです。これに対して他の候補が「増税になる」と反対しているので、その中身をやさしく解説しましょう。
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(画像=総裁選のタウンミーティング(産経新聞より)、『アゴラ 言論プラットフォーム』より引用)
Q1. 最低保障年金って何ですか?
この中身は2009年に河野さんや(当時の民主党政権の)枝野幸男さんや岡田克也さんなど超党派の議員が提案したものとほぼ同じで、しくみはシンプルです。今の年金は次の図の左側のように2階建ての年金の1階部分(基礎年金)の半分が税金ですが、右側の最低保障年金は、基礎年金はすべて税金(消費税)でまかなうものです。
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(画像=西日本新聞より、『アゴラ 言論プラットフォーム』より引用)
Q2. 今の制度にはどんな問題があるんですか?
今の国民年金は未納率が4割を超え、無年金者がたくさん出ています。こういう人は生活保護を受けるしかありませんが、保険料をはらわないで政府からお金をもらう「ただ乗り」が増えると、社会保障が崩壊してしまいます。
他方、超高齢化で社会保険料はどんどん増えています。今はお年寄り1人の年金を現役世代2人が負担していますが、2050年にはお年寄り1人に対して現役1人になり、サラリーマンの負担は今の2倍になります。
この負担を減らすために支給額を下げると、お年寄りの生活保障ができなくなります。今の年金制度は「100年安心」ということになっていますが、それは年金財政が100年破綻しないという意味で、みなさんの老後の生活は破綻するのです。