ホームジムの目的を理解する
トレーニング歴のある人にとって、今さらホームジムを作ることに何の意味があるのかと思う人もいるだろう。また、コロナ禍でジムが閉まっているなら、その間のトレーニングは諦め、自粛が明けたらジムでのトレーニングを再開し、遅れを取り戻せばいいと考える人もいるだろう。
考え方は人それぞれだが、せっかくトレーニングが習慣になり、ここまで筋肉を作り上げてきたのに、それをゼロに戻すのは私にはできない。だから自宅でできることを行い、少しでも筋発達が停滞しないように努力を続けたいのだ。
ホームジムの環境を整えるのはそのためである。ジムがいつ営業を再開してもすぐにスタートが切れるようにするためのホームジムであり、今後のトレーニングライフをより充実したものにするためでもあるのだ。それを構築するチャンスが今、到来しているといってもいいだろう。
先にも述べたが、ホームジムがあれば1日2回のダブルスプリットだって可能だ。自粛期間に限らず、仕事や勉強などでジムに通えない期間であっても、ホームジムがあればトレーニングを休む必要はなくなる。
しっかりしたトレーニングをやらなければならないと構える必要はない。筋肉を軽くパンプアップさせるようなトレーニングや、気分転換に適したトレーニングするなど、ホームジムの活用は無限なのだ。
ジムに通うことを前提にしたホームジムの利用法としてこのようなやり方はどうだろうか。たとえば胸の日に以下の内容のワークアウトをジムで行ったとする。
●インクライン・スミスマシンプレス
●ディップス
●ハンマーストレングス・ディクラインプレス
●ケーブル・クロスオーバー
その後、3日ほどしてから胸筋を刺激するバンド種目を行うと疲労回復が促される。たとえばバンドフライとスタンディング・バンドプレスをスーパーセットで組み合わせ、いずれもハイレップスで2、3サイクルを行う。具体的なやり方については、バンドに付属する種目の解説などを参考にするといいだろう。
疲労回復を促す目的で行うなら、対象筋を限界まで追い込む必要はない。目的は「血流量を増やして疲労物質を押し流す」ことだ。また、ホームジムで疲労回復のためのワークアウトを終えたら、最後はアイソメトリックポージングで仕上げるようにするとなおいい。
アイソメトリックポージングは、対象筋を収縮させるポーズをとり、そのポーズをしばらく保持するというものだ。胸筋ならモーストマスキュラーのポーズをとり、それを30~60秒間保持する。ポージングはコンテストに出場する予定がない人でも、対象筋と神経を連動させる効果が得られるのでおすすめだ。ジムではなかなかできないことでも、ホームジムなら誰の目を気にすることもなく様々な挑戦ができるのも大きな利点だ。
胸のワークアウトの仕上げとして、胸筋を強烈にストレッチする種目をワークアウトの最後に加えるのもいいアイディアだ。壁などを利用して胸筋をストレッチさせた姿勢を60秒ほど保つようにすると血流量が増加し、疲労物質の除去を積極的に促すことができる。
IFBBプロボディビルダーのマーク・ダグデイルは、ワークアウトの最後に対象筋をストレッチさせる種目を取り入れていた。疲労物質の速やかな除去は、筋発達を促す効果が期待できる。全身の部位に行う必要はないが、弱点部位のワークアウトを行ったときは、ワークアウトの最後に対象筋を強烈にストレッチさせるような種目を行ってみるといいだろう。
まとめ
トレーニング歴がある人でも、ホームジムがあれば様々な工夫を凝らすことができ、チャレンジ意欲を高めることができる。ホームジムは設備に乏しく、あれもこれもできないと思ってしまいがちだ。しかし、見方を変えれば、様々な実験や挑戦を行うならホームジムはまさに打って付けなのである。高価な器具は不要だ。基本的な器具と工夫次第でたくさんの種目を行うことができる。
世界情勢はまだまだCOVID19に翻弄されている。ジムの休業や営業自粛は今後も繰り返されるかもしれない。
しかし、それでも私たちは地道にワークアウトを続けていこうではないか。ホームジムの環境を整えることは、平穏な世の中が戻ってからも無駄になることはないのである。
ネガティブにならないこと。自分の能力に制限をかけないこと。学び、工夫する意欲を失わないこと。どのような状況であってもトレーニングを続けることは、自分自身の向上につながるのだ。
文・William Litz、翻訳・ゴンズプロダクション/提供元・FITNESS LOVE
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