昨年に引き続き、コロナ禍でトレーニングが思うように進まない。しかし、ジムに行けないということで私たちのトレーニング意欲までもが削がれてしまっただろうか? ジムに行けなければ、自分なりに工夫を凝らし、自宅でできることはないかと考えた人も少なくないだろう。ここではそんな人たち向けにホームジムの魅力を解説する。

トレーニング歴がある人もホームジムを活用しよう【家トレで一流の肉体をつくる】
(画像=『FITNESS LOVE』より引用)

ただ、この状況はもうしばらく続くかもしれない。そうなると、やはりバリエーションがほしくなる。飽きないようにするために、そして筋量を維持するためにも新鮮な刺激は不可欠なのだ。とはいえ、所せんホームトレーニングなのだから限られた器具しか使えないし、初級者が行うようなトレーニングしかできないと思っている人も多いはずだ。

しかし、誤解しないでほしい。ホームトレーニングだからといって初級者向きとは限らない。実際、世界記録をたたき出すパワーリフターたちの中には、自宅のガレージや地下室にホームジムを作り、すさまじい身体を作り上げ、驚くほどの筋力を養ってきた人たちが大勢いるのだ。

例えば黄金時代のボディビルダーのひとりであるデイブ・ドレイパーは、まるで地下牢のようなジムでトレーニングを行っていた。天井からは雨漏りがしていて、バーベルは錆びてダンベルはガタついていた。ベンチ台は木製で、釘が浮いている箇所もあり、肩や腕が引っかかって引っ掻き傷ができることもあった。

そんな環境でもデイブ・ドレイパーはミスターユニバースに輝き、ボディビルダーとして成功を収めた。地下牢のようなジムでも、彼は一流のフィジークを作り上げたのである。

トレーニング経験者のホームジム

トレーニング歴がある人もホームジムを活用しよう【家トレで一流の肉体をつくる】
(画像=『FITNESS LOVE』より引用)

すでにトレーニング歴のある人が自宅でトレーニングをはじめるなら、オリンピックバー、アジャスタブルベンチ、そしてパワーラックがあれば多くの種目を行うことができる。さらに、重量を変えられるダンベル(パワーブロックなど)、ラバーバンドと付属のハンドルなども加えていけば、バリエーションをさらに増やすことができる。

中には、ジムの営業が再開されたら、これらの器具は無駄になると心配する人がいるが、ホームジムが無駄になることは決してない。なぜなら、ホームジムは自分専用のジムであり、好きな時間に、好きなだけ利用することができるからだ。
仕事や勉強が忙しくてどうしてもジムに行けない、天気のせいで外出を躊躇してしまう、どうしても家を空けられないなど、そういうことは誰にだってある。そんなときでもホームジムがあればワークアウトを予定どおりにこなすことができ、事前に立てた計画を中断することなく進めることができるはずだ。

また、1日に2回のワークアウトを行うダブルスプリットも、ホームジムがあれば実現可能だ。

ダブルスプリットに挑戦してみたいと思っていても、休日でもない限り1日に2回もジムに行くのは難しい。しかし、ホームジムがあれば2回のうちのどちらかを自宅で行うことができるのだ。

ミスターオリンピアに3度輝いたフランク・ゼーンは「ダブルスプリットを行うと、1日1回のワークアウトより2倍の速さでコンテストコンディションを極めることができる」と述べていた。

ただし、ダブルスプリットは運動量が一気に増加するので、オーバートレーニングに陥らないようしっかり身体の状態をモニターしながら実践しなければならない。そういったことからも、ダブルスプリットはまさに上級者用のプログラムであると言える。

1日に複数回のワークアウトを行う場合でもあっても、ホームジムがあればバリエーションに富んだプログラムを実践できる。仕事や勉強を言い訳にすることができないので、しっかり自分を追い込みながらトレーニングを続けたいという人にもホームジムはおすすめだ。

ホームジムでのワークアウト例

トレーニング歴がある人もホームジムを活用しよう【家トレで一流の肉体をつくる】
(画像=『FITNESS LOVE』より引用)

[全身の分割例]
●月曜日:脚
●水曜日:胸、肩、上腕三頭筋
●金曜日:背中、上腕二頭筋

[月曜日のワークアウト]
①バーベルスクワット
12レップ×3セット
②シシースクワット
15レップ×3セット
③ブルガリアン・スプリットスクワット
20レップ×2セット
④スティッフレッグド・デッドリフト
10レップ×3セット
⑤バンド・ライイング・レッグカール
12レップ×3セット
⑥片足で行うスタンディング・カーフレイズ
20レップ×3セット
※ダンベルなどを保持して負荷にする。
※左右に1セットずつ行ってからセット間休憩を取る。
⑦シーテッドカーフレイズ
25レップ×3セット
※イスやベンチ台に座る。つま先をカーフブロックに乗せ、膝は直角に曲げる。ダンベルを膝より少し上の位置に乗せて負荷にする。
⑧カーフスクワット
30レップ×2セット
⑨クランチ
50レップ×2セット

[水曜日のワークアウト]
①ベンチプレス
5レップ×5セット
※ダンベルもしくはバーベルで行う。
②ディップス
限界レップ×2セット
※イスやテーブルなど、同じ高さの家具などを使って行うことができる。この種目の代わりにプッシュアップ(腕立て伏せ)でも構わない。
③ダンベルフライ
20レップ×2セット
※ダンベルがない場合はバンドを活用する。
④サイドレイズ
10レップ×3セット
⑤リアレイズ
10レップ×3セット
⑥フロントレイズ
10レップ×3セット
※④⑤⑥は3種目を連続して行うトライセット法で行う。3種目を1セットずつ行って1サイクルとし、この時点で休憩を取る。同じようにして2サイクル目、3サイクル目を行う。
※サイクル間の休憩は45秒に制限する。
⑦オーバーヘッドプレス
8レップ×2セット
※バーベルまたはダンベルを使って行う。
⑧ライイングエクステンション
12レップ×2セット
⑨ワンハンド・トライセップスエクステンション
12レップ×2セット
⑩キックバック
10レップ×2セット
※ダンベルまたはバンドを使って行う。
⑪ニーインズ
25レップ×2セット
※床にあお向けになり、両脚を伸ばしたまま床から数センチだけ浮かせた姿勢を作る。この状態から膝を曲げながら膝を胸に近づけ、それから再び伸ばすという運動を繰り返す。
※体幹部をしっかり緊張させた状態を保ち、ゆっくり丁寧に繰り返す。

[金曜日のワークアウト]
①チンアップ
限界レップ×2セット
②バーベルロウ
8レップ×3セット
③クロースグリップTバーロウ
6レップ×2セット
※バーベルの片側を壁の隅などに押し当てる。バーをまたぐようにして立ち、両手でバーを握って行う。
④バンドロウ
12レップ×2セット
※バンドの輪を両足で踏んで、スタンディングスタイルで行うことができる。あるいは、バンドの輪を両足に引っかけてシーテッドスタイルでも行える。
⑤ダンベルカール
8レップ×2セット
⑥インクラインカール
12レップ×2セット
⑦コンセントレーションカール
20レップ×1セット
⑧リストカール
20レップ×1セット
⑨リバース・リストカール
20レップ×2セット
⑩ハンギング・ニーレイズ
限界レップ×2セット