3.日本の第7波

図3の世界のオミクロンのピークの最後には、ヨーロッパに現れたような次の新たな波(赤線)が見えています。第7波と呼ぶことにします。ところが日本の推移を見ると、このまま収束するような様子です。第7波は来ないのでしょうか。

コロナ第7波は来るのか:山火事理論で予測
(画像=『アゴラ 言論プラットフォーム』より引用)

図4は、日本の昨年8月からの陽性者(赤)と死亡者(青)データの推移です。オミクロンのピークを山火事理論で予測したのが水色破線です。山火事理論ではピーク位置、幅が決まってしまいますから、現状の横這いのような推移は出てきません。その部分を記述するには、新たな波を設定する必要があります。それが紫破線です。図3で分かるように日本のオミクロンの波は、世界の平均より遅れてきています。次の紫破線の波は、世界とほぼ同じに時期に来ているので、日本では、ふたつのピークが重なって現在のような振舞になっています。従って、日本の場合、7波(と呼ぶとして)は来ていて、既にピークアウトしています。これからは下降する収束フェーズだと思います。

では、この次の波はどうなるか。山火事理論は新しい波が立上ってくれば、ピークアウトの時期、高さが予測できますが、残念ながら、新しい波がいつ、どういう性格を持って現れるかについては、メカニズムを持っていません。

コロナ第7波は来るのか:山火事理論で予測
(画像=『アゴラ 言論プラットフォーム』より引用)

図5は、図4の線形表示です。死亡者(青)は100倍しています。この図で見ると現在の波(紫破線)はオミクロンのピークに比べると総陽性者数で10分の1以下なので、第7波とは呼べないかもしれませんが、世界の趨勢と比較すると同時期のピークです。(図にはオミ1、オミ2と表記しています)

4.オミクロンの特徴

図4には、陽性者に加えて、60歳以上の陽性者と重症者がプロットされています。オミクロンまでは、60歳以上の陽性者(黄色)と重症者(水色)は、ほぼ重なっていましたが、オミクロンになり大きく乖離しました。オミクロンになって60歳以上の陽性者でも重症にならない人が大幅に増えたことを示しています。

また、死亡者の段には、重症者×0.04(桃色)、人口呼吸装着数×0.05(緑色)がプロットされています。これらも、オミクロン前は死亡者に沿っていましたが、オミクロンになって乖離しました。人工呼吸器の装着に代表される、コロナ特有の肺に関連する疾患を伴わない死亡者が大幅に増えたことを示しています。これらが、図の数字から見えるオミクロンの特徴です。より普通の風邪に近づいている兆候のように見えます。