Q7. 金利が上がっても、日銀が国債を無限に買えばいいんじゃないですか?

日銀が民間銀行から国債を買うと、その分だけ民間にお金が出ます。今はそのお金が日銀当座預金で「ブタ積み」になっていますが、金利が上がると、お金が市場に出てインフレが起こります。日銀の国債買い取りは、長期債務(国債)の金利リスクを短期債務(日銀当座預金)に付け替えているだけなのです。

Q8. 日銀は国の機関だから、赤字になってもいいんじゃないですか?

日銀が損しても資産は時価評価されないので、国債を償還期限までもてばいいのですが、民間銀行は時価評価なので、金利が上がって国債が暴落すると、預金者の取り付けが起こってつぶれます。今のようにゼロ金利が永遠に続くと保証できるならいいですが、だれもそんな保証はできません。アメリカでは金利やインフレ率が上がり始めたので要注意です。

Q9. 自国通貨を発行できる国はいくらでも借金できるんですか?

通貨発行権と借金は無関係です。トヨタにも通貨発行権はありませんが、いくらでも借金できます。金を貸す人がトヨタを信用しているからです。逆にロシアは通貨発行権があっても国債を踏み倒しました。借金できる必要十分条件は、金を借りる人の支払い能力についての信用です。債務残高はその指標ですが、政府が過剰に信用されている今の日本では心配する必要はないでしょう。