Q4. では永久に借り替えればいいのではありませんか?

そうすると新たに国債が発行されて金利がつくので、元利合計の借金は雪ダルマ式に増えていきます。これは今の世代の借金を次の世代につけかえるネズミ講みたいなもので、先送りが続けられるかぎり問題はありません。

MMTは簡単にいうと、このネズミ講が永遠に続けられると想定する理論です。それは今のゼロ金利では成り立つようにみえますが、金利が上がると借金は2000兆円、3000兆円…と増えるので、普通の方法では返せなくなります。

Q5. 国債はデフォルト(踏み倒し)されないというのは本当ですか?

これもうそです。国の借金はお札を印刷すれば返せるので、日本では債務不履行という意味のデフォルトは起こりませんが、インフレで借金を実質的に減らすことができます。たとえば物価が2倍になると、借金の負担は半分になります。これを実質債務のデフォルトといいます。史上最大の国債を発行したイギリスは、GDPの2.5倍の借金をインフレで0.5倍に減らしました。

国の借金は返さなくてもいいの?
(画像=イングランド銀行、『アゴラ 言論プラットフォーム』より 引用)

Q6. 日銀が国債を全部買えば、借金は消えるんじゃないですか?

国の借金は日銀の資産ですが、日銀は国の子会社みたいなものなので、これは親会社の社債を子会社が買うようなものです。たとえばトヨタの販売会社がトヨタ自動車の社債を買っても、連結でみると借金は同じです。これは国債という借金を日銀券(あるいは日銀当座預金)という借金に置き換えただけです。