Q9. 山火事は増えるんでしょうか?
図6のようにNASAのデータでは、世界の山火事の面積は2003年から25%減っています。地球温暖化より森林管理のほうが大事です。
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Q10. 農業生産は減るんでしょうか?
農業生産は、熱帯では干ばつで減ると予想されますが、寒冷地では農業ができるようになります。それより農業技術が飛躍的に上がるので、全世界の農業生産は増えるでしょう。図7のように世界の農業生産は、この50年あまりで3倍に増えました。むしろ農業で問題なのは、それが今後の温室効果ガス(特にメタン)の大きな排出源になることです。
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このように地球規模でみると、大雨や干ばつが増えていることは事実ですが、その対策が進んだので、被害は大きく減りました。温室効果ガスを減らすことは必要ですが、1.5℃という気温には意味がありません。したがって2050年にゼロにする科学的根拠はありません。
ゼロという数字がわかりやすいのが政治的な理由ですが、2050年という期限は不合理です。たとえば2100年カーボンニュートラルを目標にすれば、エネルギー効率を上げながらCO2を減らすことができます。それを急いでゼロにしようとするから、CO2を地中に埋めるなど不合理な技術が必要になるのです。
むしろ地球温暖化対策は、企業収益ニュートラルを原則にしてはどうでしょうか。企業がCO2を減らすのは、それがエネルギー節約になって企業収益が上がるときだけで、損失が出るときは政府が補助すればいいのです。排出量の目標は、必要ありません。
その財源は炭素税(カーボン・プライス)で出せばいいと思います。いま日本では、揮発油税や再エネ賦課金などで実質6000円/トン(消費税でいうと3%)ぐらい化石燃料に課税しているので、まずその名前を炭素税と変え、必要なら税率を上げてはどうでしょうか。人類の危機が迫っているわけではないので、急ぐ必要はありません。
文・池田 信夫/提供元・アゴラ 言論プラットフォーム
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