フリーランスなら、誰もが「支払う税金を安くしたい」と思うもの。その証拠にさまざまな節税対策が広まっていますが、なかでも「税務署公認」かつ節税効果の大きい対策が、「青色申告」による確定申告です。

しかし、青色申告をするには、いくつかの条件や手続きをクリアする必要があります。「いままで青色申告を知らなかった」「手続きがメンドくさそうで青色申告をしたことがない……」という方もいるかもしれません。

そこで今回は、毎年青色申告をしているフリーライターの筆者が、青色申告のキホンから控除額、申告条件などをゼロから解説していきます。

目次
青色申告とは?
青色申告を利用できる条件

青色申告とは?

青色申告とは、確定申告をする際の申告方法の一つです。日本の確定申告制度には、大きく分けて「青色申告」と「白色申告」があります。

国税庁は、青色申告の概要をつぎのように解説しています。

1年間に生じた所得金額を正しく計算し申告するためには、収入金額や必要経費に関する日々の取引の状況を記帳し、また、取引に伴い作成したり受け取ったりした書類を保存しておく必要があります。

ところで、一定水準の記帳をし、その記帳に基づいて正しい申告をする人については、所得金額の計算などについて有利な取扱いが受けられる青色申告の制度があります。

(出典:国税庁)

つまり青色申告とは、白色申告に比べて「オレたち(国税庁)の求めるハイレベルな記帳をしたうえで、正しい申告をしてくれれば、税金をオマケしちゃう!」という制度なのです。

青色申告を利用できる条件

利用できればたいへんおトクな青色申告ですが、記帳の方法など具体的な準備以前に、働き方や所得の種類によってはそもそも利用できないこともあります。

条件1. 事業所得、不動産所得、山林所得のいずれかが発生している

青色申告を利用できる所得は、以下の3種類です。

  • 事業所得
  • 不動産所得
  • 山林所得

事業所得は、フリーランスの皆さんならお馴染みの「本業の利益」にあたるものです。不動産所得は、おもにアパート経営などによって得られる家賃のこと。山林所得は、木を伐採して売却、譲渡した際に得られる利益のことです。

ただ、所得にはこれ以外にも多くの種類があります。代表的なものは、副業収入の大半が該当する「雑所得」。これは青色申告NGです。つまり、ほとんどの副業では青色申告を利用できません。

他にも、以下の所得は青色申告不可です。

  • 給与所得(会社員の給料など)
  • 配当所得(株の配当金など)
  • 退職所得(退職金など)
  • 利子所得(国債の利子など)
  • 譲渡所得(土地の売却益など)
  • 一時所得(生命保険の満期保険金など)

青色申告は非常に有名ですが、使える場面は意外と少ないですね。

条件2. 開業届(青色申告承認申請書)を提出している

前提として、確定申告をおこなうフリーランス/個人事業主は「開業届」を税務署に提出する必要があります。

開業届とは、個人で新しく事業を開始したことを国に伝えるための書類です。原則は事業開始日から1ヶ月以内に提出する必要がありますが、期限を過ぎてもとくに罰則はありません。

ただし、開業届を出すタイミングで青色申告承認申請書も同時に提出できるのですが、これが青色申告に必須となるのです。青色申告をするのであれば、必ず開業届および青色申告承認申請書を提出しましょう。

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