穴場の瀬戸内の魅力2:室積海商通りと普賢寺

牛島航路の本州側、室積港の近くにも見どころが豊富です。港の目の前にある早長八幡宮(はやおさはちまんぐう)は、室積地域の氏神として1444(文安元)年に大分の宇佐八幡宮から勧請して創建されました。
早長八幡宮から室積半島の先端方向の道、海沿いのみたらい通りよりも一本中の道は海商通りと言われているところ。江戸時代に長州藩が再開発した室積港は、北前船の寄港地となり廻船問屋が誕生しました。
海商通りを歩いていると、かつての豪商の建物(町屋)の一部が現在も残っていて、町屋を使った飲食店や土産物店があります。また室積の歴史がわかる、光ふるさと郷土館も必見です。

海商通りを象鼻ヶ崎方向に歩くと、ひときわ立派な普賢寺山門の姿が見えてきます。普賢寺は平安中期の1006(寛弘3)年創建という1000年の歴史を持つ林材異臭の寺院。
海の菩薩として全国から広い信仰を集めました。境内の奥には県指定の名勝「枯山水の庭園」があり、雪舟作と伝わります。また幕末には長州藩の南騎兵隊の本陣があり、400名の隊士が終結したという歴史もがあるとか。

普賢寺からさらに半島の先端まで歩けます。瀬戸内海国立公園にも指定されている室積公園を歩いていくと、象鼻ヶ岬があります。
象の鼻のような岬は周防橋立との異名を持つ景勝地。異国船に備えて長州藩が設置した室積台場や象鼻ヶ岬大師堂、室積港灯台があります。
象鼻ヶ岬からの帰りは海沿いを歩いてみましょう。御手洗湾沿いに続くみたらい通りは室積みたらい公園になっています。木造の高灯籠があり、その先には象鼻ヶ岬に続く橋立の様子が一望できます。
穴場の瀬戸内の魅力3:風力発電の風車が間近に上盛山展望台

室積から車で東方向、室津半島を30分ほど南に走ると上関地域があります。幅が170mほどしかない上関海峡にかかる上関大橋を越えて長島まで走れば、ぜひ立ち寄っておきたいのが上盛山(かみさかりやま)展望台。

上盛山展望台には2基の風力発電所があります。展望台にきて車から出ると、風力発電の威圧的な光景と風を切るモーター音がすぐ目の前に現れました。展望台からの眺めですが、曇りだったこの日も大変すばらしく、360度の方向で瀬戸内の島々が見られます。その中には船で立ち寄った牛島の姿もばっちりみられるでしょう。

展望台の最高所には灯台のような建物が見えますが、これは灯台ではありません。また展望台付近はとにかく風が強いので、風力発電がある理由がわかります。
上盛山展望台は標高314mの死火山のうえにある非常に素敵な場所ですが、唯一の難点としては駐車スペースがあまり多くありません。訪問したのが平日の曇り空だったので問題ありませんでしたが、休日の天気の良い日は駐車スペースがないかもしれないので注意しましょう。