1998年に発表され、1999年4月にホンダから29年ぶりに発売されたFR車、S2000。その後2009年に販売を終了しました。2015年3月30日 には同じく”S”を名乗るS660が販売されましたが、FRではなくMR。S2000の価値はこれからプレミアム化するのでしょうか?

目次
ホンダ S2000とは
ホンダ S2000の本当の魅力をもう一度

ホンダ S2000とは

ホンダ S2000の中古価格・積載性|都市伝説を残したS2000は復活するのか?
(画像=『CarMe』より引用)

本田技研工業創立50周年記念モデルとして鳴り物入りで1999年に発売されたのがS2000です。

1966年デビューのS800以来、久しぶりのFRスポーツカーとして大ヒットしました。縦置きされた2リッター直4のVTECエンジンはリッターあたり125psを誇り、その到達回転は8300rpmとホンダイズムが受け継がれたもの。このピストンスピードはF1並みの力を発揮します。

ミッションも6MTのみと走り好きなユーザーには大いに歓迎されました。

また、閉断面の大型フロアトンネルと前後のサイドメンバーをつないだ「ハイXボーンフレーム構造」はオープンモデルながらも高いボディ剛性を確保し、ジムカーナ競技でも常勝マシンのひとつでした。

ホンダ S2000の本当の魅力をもう一度

ホンダ S2000の中古価格・積載性|都市伝説を残したS2000は復活するのか?
(画像=『CarMe』より引用)

ホンダ S2000の魅力は、一時代を築いたNA+FRの完全専用設計のエンジンとシャーシ、ミッションにあります。他メーカーがどちらかを流用する事が多い中、ホンダはどちらも妥協せず専用設計にて市販しました。

エンジンは回転馬力に拘り、環境性能が求め始められた1999年にギリギリで認証を通過し、以後国産市販車でS2000のピストンスピードを越された事はありません。ピストンスピードが上がる程に高精度が求められるエンジンである事は言うまでもありません。

シャーシは専用設計で当時のモノコック・オープンスポーツで異常な剛性値を叩き出しています。今でもシャーシの軽さと剛性のバランスでは一級品で、S2000以上に剛性のあるオープンは必ずシャーシ重量があります。

ミッションも専用設計ですが、元々はトヨタがAISINへアルテッツァ用に設計させたが、あまりにフィーリングがレーシーな為に採用されず、ホンダがS2000用として採用したという噂があります。

噂の真相は判りませんが、確かにレーシーです。これほどまでにショートストロークかつ節度の良いミッションはケーターハム以外に無いのではないでしょうか。

ホンダ S2000にしかない方程式

確かにミッションだけ見れば、ケータハムと似ていますが、それ以外の要素と組み合わせて考えると、ホンダ S2000にしかない魅力があります。

NA+オープン+FR=レーシングカー(リアルオープンスポーツ)という方程式の元に生まれたクルマは世界中探してもS2000しかありません。コンセプト的に表現すると、"快適で安全なケーターハム・スーパーセブン"とでもなるでしょうか。

1999年と言えば、不況を経験しスポーツカーへの風当たりが厳しくなってきた年です。しかし、S2000ユーザーは増え、このクルマに落胆することなく更に、ホンダ S2000の底力を知ることになりました。