カウンセラーが活躍している場
心理カウンセラーは病院で働いているイメージを持つ人も多いのではないでしょうか。
実は、カウンセラーは病院だけではなく、学校や企業などでも活躍をしています。
以下では、カウンセラーが活躍している場所と働き方についてご紹介します。
小学校・中学校・高校・大学
利用したことがある人は少ないかもしれませんが、小学校・中学校・高校・大学などの学校でも心理カウンセラーは働いています。
学校で働くカウンセラーのことを特に「スクールカウンセラー」といいます。
保健室とは別の部屋が用意され、スクールカウンセラーと一対一で話し合い、生徒の悩みに寄り添います。必要であれば個別に専門機関を紹介してもらうことも可能です。
また、生徒だけではなく保護者や教員のカウンセリングを行うこともあります。
毎日学校にいるわけではなく、特定の日に来る働き方をするので、複数掛け持ちをしている心理カウンセラーも多いです。
児童相談所
子供の心に寄り添う場所は学校だけではなく、児童相談所でも行われます。
児童相談所で働くカウンセラーのことを特に「児童心理士」と呼びます。
児童心理士とは、児童福祉法第12条の3第6項で規定されています。
指導をつかさどる所員の中には、次の各号に掲げる指導の区分に応じ、当該各号に定める者が含まれなければならない。
一 心理に関する専門的な知識及び技術を必要とする指導 第二項第一号に該当する者若しくはこれに準ずる資格を有する者、同項第二号に該当する者若しくはこれに準ずる資格を有する者又は同項第五号に該当する者
二 児童の健康及び心身の発達に関する専門的な知識及び技術を必要とする指導 医師又は保健師引用:児童福祉法
つまり児童心理士とは、カウンセリングや心理検査によって児童の健康や心身の発達を見守る人のことをいいます。
虐待だけではなく非行、心身の発達の相談などを行い、児童本人だけではなく18歳未満の子供に関する相談であれば保護者や学校の先生などの相談も受けることがあります。
家庭裁判所
心理カウンセラーは「家庭裁判所」でも働いている人がいます。
家庭裁判所で働く心理カウンセラーは「家庭裁判所調査官」と呼ばれ、非行少年や荒れてしまった家庭で育った子をフォローしなだめる役割を担っています。
日本の「裁判所」の公式な見解は以下のとおりです。
家庭裁判所調査官は,家庭裁判所で取り扱っている家事事件,少年事件などについて,調査を行うのが主な仕事です(裁判所法第61条の2)。
引用:裁判所
家庭裁判所で働くためには「裁判所職員採用総合職試験」と呼ばれる試験を受け合格する必要があります。総合職試験の倍率は約20倍と高いため、家庭裁判所調査官になるのは難易度が高いです。
企業
企業に就職するカウンセラーは「臨床心理士」もしくは「産業カウンセラー」として働くことが多いです。
臨床心理士とは、臨床心理学という学問を勉強しカウンセリングを行うことを証明する資格のひとつです。
日本臨床心理士資格認定協会によると、臨床心理士とは以下のような人のことをいいます。
「臨床心理士」とは、臨床心理学にもとづく知識や技術を用いて、人間の“こころ”の問題にアプローチする“心の専門家”です。
引用:日本臨床心理士資格認定協会
企業でカウンセリングを行う人のことを「産業カウンセラー」といいます。人間関係の問題や仕事のストレスについての相談を特に担当し、キャリア形成の支援も行います。
医療機関
カウンセラーは精神科・メンタルクリニック・心療内科・産婦人科など様々な医療機関で働いています。
医療機関に来る人は、年齢も性別も悩みも様々なのでカウンセラーの技量が試される場所です。
相談者の話を真剣に聞き、必要であれば問題の解決策を提示したり、対症療法となる薬を提案したりします。
独立する
カウンセラーとして独立し、自ら顧客を見つけ寄り添う心理カウンセラーもいます。
独立をすることのメリットは、年収が大幅に上がる可能性があること、顧客に寄り添った接客が可能になることなどがあります。
独立をするためには自分のスキルを磨いておく必要があるので、上記で紹介した機関で働いてから独立をする人も多いです。
カウンセラーの将来性
現在カウンセラーの需要は過去と比べて増してきています。
厚生労働省によると、通院患者・外来患者を合わせて精神疾患がある患者の数は「約392.4万」と発表されています。過去15年間で、外来患者の数は2倍にも増えているのが現状です。
参考:最近の精神保健医療福祉施策の動向について
そもそも人は承認欲求を持ち人から「認めてもらいたい」という気持ちがあります。誰かに真剣に自分の話を聞いてもらうことは、承認欲求を満たすことになり気持ちが楽になったり幸せな気持ちになったりします。
人間の根幹的な欲に関連するカウンセラーの需要は高く、将来性もあるといえるでしょう。